京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「ハッピーエンドの選び方」

2015年12月04日 | 映画・観劇

この写真は、主人公ヨヘスケルが、尊厳死を願う同じ老人ホームで暮らす仲間のために、安楽死できる装置を作っているところです(イスラエルの映画)。

逡巡しながらも、願いをかなえる形で支えるホームの仲間の5人。ヨヘスケルは妻が認知症を患っていた。「殺人」行為だと夫を避難していた妻も、自身の病の症状が悪化するにつれ、「自分が壊れてなくなってしまう前に」と尊厳死を選ぶ。夫と最後の小さなキスをして…。
身体を動かすこともできずに床ずれだらけ、生きていることが辛いからと死を願う老人に、医療は何もしてくれない。
殺人罪が適用される出来事にも、うわさが流れるだけで終わる。映画はコミカルな要素も多く含めて描いて見せている。

最期を迎える母に寄り添っていたとき、父は浅草寺に願解きに行ってくるといい残して、病院から急ぎ一人で向かった。回復を願ってお参りしていたから、もう楽にさせてあげたいという思いからだったろう。父の胸の内を思いながら、あふれるものはこらえていた。
大事な人を苦しめたくない、見ているのもつらい、万国変わらぬ人としての心情だろう。

尊厳死は自らの人生を閉じる上で幸せな終わりかたなのでしょうか。自分の最後をどう締めくくるのか。存命中からの意思表示が話題にはなるが…。
私は死がこわい、かな…。そういう心持が根っこにあるのを感じている…。


未来はこれから。こんな年頃の笑顔にせめて気持ちを慰めて…。
              


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする