京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 この一年 - 読書

2015年12月22日 | こんな本も読んでみた

「本を愛するものはおしなべて若さがみなぎり輝いている」
直木賞作家の出久根達郎さんは断言している(『本と暮らせば』)、というコラムを読んだことがあった。8年前、「身分を隠して一日過ごすなら」と記者から質問を受けた美智子さまは、「古本屋で立ち読み」と返された、ともあった。

人間には一つだけ老けないところがあるそうで、それは「心」なのだそうな。感動したり、さまざまに興味を持って良く心を動かすことは、若さみなぎり、輝く表情を自然と生み出すのだろう。さて自分は、となるといささか…。でも、内面ではひとり充ちている、と言える時だってある。

咋年末の『櫛挽道守』に続いて読んだ『漂砂のうたう』(木内昇著)、『母の遺産』(水森早苗)、『時雨の記』(中里恒子)、『邂逅の森』(熊谷達也)、『雨の裾』(古井由吉)、『砂浜に座り込んだ船』(池澤夏樹)。
この1年で、自分の中では特に印象深い作品となった。
今読み始めてまもない『冬の光』は、篠田作品で久しぶりの新刊本購入となったが、『ゴサインタン』『女たちのジハード』から始まり6冊目となり、篠田ファンだ。中里恒子の作品も好き。初めて触れる作家が多かったような…。

途中では、川端康成、夏目漱石の作品に触れ、玄侑宗久さんの著書も多く拝読した。エッセイは著者を幅広く選んで読んでいた。
ベストセラーでも興味を抱くことがなければ手を出さないし、いらないと思う。ただ、自分では選ばない本を読んでみる事ができるといった点でも、友人と本の話題を共有することに楽しさを感じる。

うーん…、私、もうちょっと輝いても良さそうだけどなあ~。
コメント (4)
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