整形外科で足指の治療を受けている、と言ってきたのはひと月ほど前のこと。
あれからどうされているのか、連絡はない。
日中は37度をわずかに下回る猛暑だったが、今宵は中秋の名月。
東の山の上に、丸い大きなお月さんが上がってくるのをしばし眺めていた。満月は明日だという。
友人に足の具合を訪ねながら、声をかけてみた。
〈 養生もほどほどにして月今宵 〉 (西野文代)
「お月さん、見てますか」
いつのことだったか、この友に案内をいただき芭蕉の墓所、義仲寺を訪れたのだった。
芭蕉は元禄4年、6月から9月まで大津に滞在していた。十六夜の月を賞美して堅田に渡ったときの句。
鎖(じょう)開けて月さし入れよ浮御堂
御堂の中におはします千体仏に、扉の隙間から差しこんだ月の光が当たる。
千体が光を集める、と想像しよう。光に映える御堂は、湖上に輝いて浮きあがって見えるだろうか…。
イマジン、イマジン。
月の美しさ、妖しさ。琵琶湖と月と文学。いろいろありますねえ。
ところで友は月を眺めただろうか…。
(浮御堂の写真は’23.5.16のときのもの)
あれからどうされているのか、連絡はない。
日中は37度をわずかに下回る猛暑だったが、今宵は中秋の名月。
東の山の上に、丸い大きなお月さんが上がってくるのをしばし眺めていた。満月は明日だという。
友人に足の具合を訪ねながら、声をかけてみた。
〈 養生もほどほどにして月今宵 〉 (西野文代)
「お月さん、見てますか」
いつのことだったか、この友に案内をいただき芭蕉の墓所、義仲寺を訪れたのだった。
芭蕉は元禄4年、6月から9月まで大津に滞在していた。十六夜の月を賞美して堅田に渡ったときの句。
鎖(じょう)開けて月さし入れよ浮御堂
御堂の中におはします千体仏に、扉の隙間から差しこんだ月の光が当たる。
千体が光を集める、と想像しよう。光に映える御堂は、湖上に輝いて浮きあがって見えるだろうか…。
イマジン、イマジン。
月の美しさ、妖しさ。琵琶湖と月と文学。いろいろありますねえ。
ところで友は月を眺めただろうか…。
(浮御堂の写真は’23.5.16のときのもの)