
7月2日、和歌山県の田辺市では、赤とんぼが群れをなしていた。富田川べりの優しいピンク色のねむの花が心を癒してくれる。菜の花畑の跡地にコスモスの種まき準備が始まっていた。秋には一帯が黄色からピンクに様変わりする取り組みだという。
梅の実の収穫は終り、木に熟したまま残された実は甘酸っぱい香りを放っていた。
行くたびに、眼にする光景は季節の移り変わりを見せて待っていてくれる。
赤みを帯びた大きな朝顔のつぼみが、ようやく明朝には開きそうだ。ブルーの中央に真っ白な花芯、だったのに…。
別称、「牽牛花」。夜明けに咲いた朝顔の花、柵にツルを巻きつけ、花や葉が薄明の中に朧に浮かぶ。その様を「仙女ひとり 美しい欄干にもたれている」と喩えたのは宋代の蘇軾の門下詩人・秦観だった。
「地平線のかなたの碧の光をすかして、人の世に降り立ち、明け方に姿を見せた」と幻想的だ。
明日の朝は早起きしようか!? 待ちかねた一輪のために。
期待に違わず“欄干にもたれている美しい仙女ひとり”出会われましたか。
朝顔の初咲きにも、これほどの思い入れがあるのですね。
健気に毎朝咲く朝顔、ちょっと見方が変わりそう。大きな得をした気分に・・・。
菜の花からコスモスへ。古道の一部。
人が集まってくるところ、楽しんでもらえるよう、地元の人の心意気がうかがえて嬉しいですね。
Jessieの滞在中に開いてくれたら、心に残るひと声が聞けたかもしれないと少し惜しまれます。
薄明の中にとはいきませんでしたが、5時過ぎに覗きに行きました。
秦観を「すぐれた想像力」の持ち主、宇野直人さんはそう評されてます。
静かな、ひんやりとした空気の中で初の一輪がそっと咲いている、やはりいいものですね。