春先、監督がテレビでインタビューを受けていた。見たいと思って機会を失し、上映後のアンコール上映を経て、今回の再アンコールでようやくチャンスをつかんだ。
上映時間は2時間15分。終了後、川本貴弘監督(京都、伏見出身)の舞台挨拶があった。
【2年半にわたって大阪西成区で取材。映画の中のセリフは、取材した人たちの口から出た言葉であって、自分が書いたものではない。実在のかば(蒲益男)先生を中心とした群像劇で、かば先生の物語ではない。登場人物にはモデルがあり、男女を入れ替えた設定が一部にある】
1985年、バブル景気を迎える日本に、世の中の矛盾が集まったような地域があった。
大阪西成区。出自、偏見、校内暴力、すさんだ家庭…。過酷な環境の中でよりよい明日を夢見て、悩み、苦しみ、しかしたくましく生き方を模索するたくさんの子供たちがそこにいた。
川は流れる。時も時代も変わり、心はかすれていくが、この今日一日の先に未来があることを忘れるな、とエンディングでは歌っていた。
「あいつら、おれたちみたいな教師に出会って幸せだ。だけどもっと俺たちは幸せだ。あいつらに出会えたんだからな」
かば先生の同僚が口にする。子供たちと正面から向き合った教師たち。決して無理強いせず、押し付けない。教師も子供も周辺の家族も、自分の言葉を発して向き合う。
人の素のこころ、言葉がストレートに心に響く。涙がツーッ、ツーッと流れる。笑えて、そしてまたツーッと涙して、私も彼らに少し近づく。
人を信じたい。群れることはいらないが、人と人との心のつながりが、新しい力を内に宿すんじゃないだろうか。
ロングランを意識して、全国どこへでも車で行くと。学校で、公民館で、ミニシアターで、多くの子供たちに見てほしい。「見たい!と声をかけてくれればどこへでも行きます」と川本監督。「みんな、観ないと!」(映画監督・坂本順治)と映画のチラシにある。
新風館の地階にあるアップリンク京都で、6/17~6/23の一週間特別上映が始まった。
寺子屋サロンの子どもたち、連れて行こか??
実在の蒲先生がモデルとか。
西成、今はあいりん地区と呼ばれていますよね。
今受講中の「知多半島ふしぎ物語」の講師の先生が
かなり以前この地区に
1年間住み本を出されました
私も読みました。
住んでみなければわからない数々を描いておられます。
ビジュアルな映画はさらに強く迫るものがありましょうね。
その代わりすべての責任をご自分が持つと言われ、各地を回っておられるようです。
子どもたちは差別的な言葉をポンポン口にします。
暴力的な言葉も、タバコ、シンナーの吸引も、カットせずそのままの姿です。
いつの時代にもありますが、本当にさまざまなことを抱えて日々生きている子供たち。
女性の新米臨時講師の変貌、葛藤、成長ぶりも見どころでした。
講師の先生は幅広くご活躍なのですね。
訪ねたこともない地ですが、講座でのお話のご紹介を私は楽しみにしております。