Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

マイブーム 英国

2007-12-20 01:09:13 | 雑談
去年から続くマイブームは英国。
現代のイギリスとかUKではなく、19世紀の英国だ。

きっかけはジェーン・オースティン。しばらく前に見たエマ・トンプソンの映画「いつか晴れた日に」が気に入って原作を読んでみようと思い立った。
で一冊読んだらもう止まらない、オースティンの全作(と言っても6冊しかないが)一気読み。200年前に書かれた小説がこんなにおもしろいなんて。

なんと言っても登場人物たちの性格設定と描写がたまらない。主人公は作者も言うとおり「高慢と偏見」のエリザベスを除いてはつまらない子が多いのだが、脇役達の生き生きしていること。愚かな母親、ぐうたらな父親、意地の悪い上流階級の奥様やお嬢様。その描写にユーモアがあって、顔まで見えるようだ。

人物描写のうまさはこの頃からイギリス作家のお家芸だったのだろうか。アガサ・クリスティーなどもミステリーの謎解きより登場人物の面白さで読んでいたと思う。それに比べるとアメリカの作家の書くものは人の顔がさっぱり見えない。ベストセラーになった「ダビンチ・コード」の登場人物たちもキャラクター設定はあっても性格がなくてつまらなかった。

オースティンの小説でもう一つ面白いのは19世紀初頭の上流、中流の暮らしだ。階級が厳然としてあり、特権意識と見栄とお金が支配する世界。

もう放送が終わってしまったが、ケーブルのミステリー・チャンネルで面白い番組をやっていた。イギリスで2002年に作られた「マナーハウス」と言う番組。
Manor House | PBS

エドワード朝時代のお屋敷で一般公募で集められた人間が主人一家、使用人になって3ヶ月間、100年前の生活を再現すると言うもの。召使役は本当に大変で、台所の下働き女中など番組に応募してきたくせに2,3日でやめてしまうのがリアリティがあって面白い。逆にご主人様と奥様は使用人にかしづかれる生活がすっかり気に入ってしまって、番組の終わりには現代の生活に戻りたくないと涙ぐむ。

ジェーン・オースティンの世界は貧しいと言えどもご主人様側なんだよなあ、と考えるとこれも興味深い。

オースティンを読みつくしてしまった今はサラ・ウォーターズの「荊の城」を読んでいる。まだ若い作家だが、19世紀を舞台にした上流のお嬢様とその侍女の話なので「マナーハウス」の世界そのまま。作者のレスビアン趣味はあまり気に入らないが、ビクトリア朝時代の再現は見事。

まだしばらくマイ英国ブームは続きそうだ。

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