Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ムスタン紀行 17 ジョムソン~ポカラ

2011-10-21 15:18:17 | チベット文化圏
8月19日

空港近くに1泊した翌朝。
 MDSAの人は4日以上飛行機が飛ばないことはめったにないと言っていたが、谷は雲で真っ白、ジョムソンまで雨が降っていては望みはほとんどない。

前日に手配したヘリもポカラで待機してくれているが、この低い雲ではやはりとても飛べない。

しかし今日は車のストは解除になったということで
 ジープの屋根に荷物を積み、2日前にお役御免になったはずのキッチンスタッフたちと陸路ポカラを目指す。途中で天気が回復した場合はその時点で最寄りの軍事基地(!)にヘリが迎えに来るということで。
何しろ我々のカトマンズ発の飛行機は明日、これを逃すわけにはいかないのだ。

カリガンダギ沿いの舗装されていない道をジープは順調に飛ばす。
  
マルファを過ぎ、標高が2500メートルを切ると周りにはぐっと緑が増え、日本に持ち帰ったら手が後ろに回る草もそこいらじゅうに生えている。
しかし雨が降って景色は真っ白。

しばらく走ったところで聞かされていた通り崖崩れで通行止め。
雨季のこの時期、ポカラからジョムソンまでの道は寸断され、崖崩れの箇所は歩いて通り、車を次々に乗り換えなければならないのだ。

  
雨の中を歩いて、でもこの最初の崖崩れヶ所はそれほどの距離はなかった。

 派手派手だけれどおんぼろバスに乗ったと思ったらまたすぐ崖崩れ。

  
こんな岩が転がっていては仕方がない、と大人も子供もぬかるんだ道を歩く。

  
晴れていれば素晴らしい景色の所だと思うが、雨の中を歩くのはうっとおしく、アッパームスタンの乾燥した気候が恋しい。しかも我々の大きな荷物はキッチンスタッフが台所用具の上にさらに担いでくれるのだからまったく申し訳ない。 

 途中に大きな滝があったが、増水して橋にまで水がかかり、ここはとても渡れない。
 
そこで脇道を行くが、ここも助けてもらわなければとても通れない。

  
それでもこの道を行くと石造りの村があり、牛がいる。

この箇所は2時間近くも歩いただろうか。
  
やっと車の待つ茶店に到着。
他のポーターたちもみなここで休憩しているが、みんな凄い荷物。

ちょうどお昼時なので、ここで本当にローカルなダルバートをいただく。
 ごはんに豆のダールにほんのちょっぴりのじゃがいも。
周りのポーターたちの皿にはこの3倍ほどの米が盛られ、さらにお代わりをしていたがあの荷物を運ぶのにはそれぐらいの食事が必要だろう。
こちらにも大量のご飯が来るのかとビビったが、さすがに加減したらしい。
質素な食事だけれど、マイルドな味付けはとてもよくて、このご飯はペロッと完食してしまった。

 やれやれとジープに乗り込むが、その先も楽ではない。

なにしろ舗装のされていないぬかるんだ道、轍が深い溝になってすごいことになっている。
運転手はみな「まだ子供じゃないの?」というほど若い子ばかりだが、さすがに実地訓練を積んでいるだけあって運転はうまい。

そしてしばらく行けばまた崖崩れ。
   
標高は下がって、やがて道端にはお米の田んぼが見え始めた。

結局この日は一日中雨で、途中の基地までもヘリが来ることはできず。
 乗り換え5回目でようやくポカラから手配されたこのバンに乗り込んだ時はその快適さに全員歓声を上げた。

このバンでポカラにたどり着いたのが夜の10時。ジョムソンを出たのが8時半だったから、崖崩れなどなければ7、8時間で行けるところを13時間半かかったことになる。

それでもジョムソンからポカラは123キロ、ジョムソンからローマンタンは84キロしかないのだからやっぱり車はすごい。

それにしても、疲れた。


 
 
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コメント (6)
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