Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

日本最長バスの旅 4 ホテル昴~果無集落

2016-11-01 17:58:15 | 国内旅行
10月19日 続き

バスを降りたのは十津川温泉の一つ手前のホテル昴。
 
ここは十津川村の第三セクターが経営する施設で、手前には温泉プール、奥にホテル棟がある。
 
広々ときれいなロビーに入ると、西村京太郎の十津川警部シリーズがずらり。
この警部の名前、十津川村から採られているのだが、作者が実際にここに来たのはシリーズが有名になってからだとか。

さて、時刻はちょうどお昼、まずは腹ごしらえをしようとロビーから続くレストランへ。
メニューには和食のお膳から定食、麺類と品揃え豊富で、その中から選んだのは
 猪肉カレー。
このカレーが辛くはないがコクがあり、野菜は溶け込んでしまったのか姿が見えないが、たっぷり入った猪肉が味が濃くておいし~。しっかりついた脂身が豚よりもあっさりして、臭みもいやなくどさもない。
店内にはジモティーらしきお客さんも多かったが、人気があるのもうなづける。

このホテルに到着したのは12時だが、新宮方面からのバスはこれが最終。
しかし今夜の宿(このホテルではない)のお迎えは八木方面からの時刻に合わせていて、それが16時。
時間がたっぷりあるので、フロントに荷物を預かってもらって熊野古道の一部を歩くことにする。

本宮の観光案内所でもらった地図を見ながら、
 まずはホテル敷地の隅にあるトンネルをくぐる。
これを出るとすぐに吊り橋があるのでこれを渡るが
 
高さはないものの足元も両脇もスカスカ、長さがあるので真ん中辺では結構揺れてスリリング。
  
川向うの民家の脇を通り、畑の続く中を登って行って、ここいら辺は楽勝。

 やがて小辺路登山口の標識が現れるが、ここからが大変。
  
杉林の中を石畳の道が続くが、勾配が思ったよりもずいぶんきつい。石畳は磨耗しているうえに苔むしていたりもするのですべるのも怖い。脇の土の部分を木の根に気を付けながら歩くが、しかしこれだけの石畳がずっと続いているかと思うと熊野古道ってすごい。

ひたすら上り続けて、ヘロヘロになりながらやっと見晴らしのきくところに出た。
 下に見えるのは熊野川。

ここからはもう一息で、獣除けの門が見えたら果無集落。
  
  
石畳は民家の眼の前を通っていて、この家は住民がいるようだが、これではおちおち雨戸も開けられまい。

この民家を過ぎると周りの展望が開ける。
 
ここに世界遺産の石碑があって、観光ポスターなどで見るとまさに地の果てのようだが
 
実は眼の前を舗装された林道が通っていて、バス停まである。と言っても月曜日の午前中に2便あるだけ、という謎のバスなのだが。

ホテル昴からこの石碑まで50分、しかし距離はたったの1.4キロ、標高差は200メートル。
小辺路はこの先、標高1114メートルの果無峠を越えるそうだが、どれだけきついことか。

自分はもう上りは十分なので、帰路は案内地図に従って舗装された林道を歩く。
 
今度は下る一方だし、車などまったく来ないのでこちらは楽々。
 
途中には小さな滝もあり、渡って来た吊り橋は上から見ると結構長い。

その吊り橋をもう一度わたって、45分でホテルに帰還。
山歩きで汗だくになったので、日帰り入浴料800円をフロントで払って、こちら自慢の星の湯へ。
 
午後も中途半端な時間なので、一人いたお客さんも出てしまって、後はここを貸し切り。
 
カランが多く、アメニティーも揃った内湯は10人以上も入れそうな大きさ。
大きな窓の向こうには露天があって
 
一人用の小さな浴槽ではお湯に浸かりながら肩に打たせ湯ができる。

お湯は笹濁りで42℃ほどの適温。
ナトリウムー炭酸水素塩泉とのことだが、飲泉で汲んでみるとお風呂ではあまり感じない硫黄の匂いがちょっとして、たまご味に塩気も少し。おいしくはないが飲めなくはない。
つるつる感もそこそこあって、なによりまわりを緑に囲まれた露天が気持ちいい。

今日から3日間は温泉三昧だが、まずは一湯目をゆっくり堪能。

ほてった体をさましつつ外で宿のお迎えを待っていると、猟銃を持ったハンターの一団がバスで到着し、続いて熊野古道を本格的に歩いているらしい屈強なヨーロッパ人の一団がやってきた。

さすが日本の秘境、十津川はワイルドだ。


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コメント
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