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日本最長バスの旅 8 湯泉地温泉~大和八木

2016-11-14 18:14:45 | 国内旅行
10月21日

 
見事な卵つきのホテルの朝ご飯。

出勤していく皆様のテーブルには朝食と共にお弁当も用意されている。
何しろ広い十津川村、飲食店はないに等しく、見た限りコンビニはおろかスーパーもまったくないのだから3食付は必須だろう。

チェックアウトは10時、バスは10時24分なのでそれまで外へ。

 村役場の脇の橋を渡ると真っ青な十津川に小さな滝が落ちている。

  
その先は人も車もあまり通らない山道だが、やがて見えてくるのは公共浴場の「滝の湯」。
 
こちらは600円の入浴料を支払って中に入れば、長い廊下の館内はピカピカ。

朝一の8時に行ったらここも誰もいなくて
 泉湯よりも広くて明るい内湯が貸し切り。
さらにこのお風呂の脇のドアを開けると階段がずっと下に伸びていて
 
 
緑に囲まれた露天の下には小さな滝が音を立てている。
泉質は泉湯とまったく同じでツルスベの硫黄泉。この旅最後の入浴にふさわしい。

ここでゆっくり過ごさせていただいた後は、開館の9時に村役場のお向かいの歴史民俗資料館へ。
 愛想のない館員に300円を支払って中に入ると
 
1階には昔の家の様子や道具を紹介した民俗資料。

平地がほとんどなく、作れるのは雑穀やイモ類だけだったという生活は過酷だったろうと容易に想像がつくが、興味深いのは撮影禁止の2階で、こちらには幕末の十津川郷士のことや、明治の大水害の資料がいっぱい。
十津川はあまりにも山奥なので秀吉の時代から年貢は免除、南北朝の頃から政治亡命者が逃げ込んだ所、そのため農民にもかかわらず十津川郷士という特殊な集団ができた、とここいら辺は司馬遼太郎先生の本で予習ずみ。
大水害については前日に行った上野地あたりがもっともひどい被害を受けたとあって、集落の人たちが助け合う理由が納得できた気がする。
現在は村民3700人のこの村も江戸時代には1万人以上の人口があったのだそうだ。

十津川のお勉強ができたところでホテルをチェックアウト。
帰りのバスチケットをもらうために村観光課のアンケートを出したが、「村は頑張っているがホテルはもっと努力が必要」と書いたのをフロントの女将はその場で読んで渋い顔。これがすでにアウトだと思うが、「ホテルももっと宣伝しろって意味よね」と勝手に解釈。もっとストレートに書いていたらどう反応したのだろう。

十津川の温泉はアプローチの難しさによる秘境感、まわりの環境、泉質の良さなど、うまくすればもっとずっと魅力的な宿が作れると思うのだが、人口3700の村でそれを期待するのは難しいのだろうか。もったいない。

 時間になってバスに乗り込めば、本日は数人の乗客でガラガラの車内。

再び上野地方面に向かうと途中には太い水路橋があり
 
 風屋ダムがちらりと見える。

上野地の休憩から先へ進むと
 
新しい橋なども作られていて道はどんどん良くなっている様子。

やがて十津川村を抜けて、大塔コスミックパーク「星のくに」なるいかにも星の良く見えそうな、山のてっぺんのリゾート施設を過ぎると
 あとはひたすら山を下る。

やがて平地になり
 柿の木が目立ち始めたら五條市。
久しぶりに見るコンビニやファストフード店におお(笑)、と思っていると
 
市街地には古い家がそこここに残っていてちょっといい感じだ。

 これまた久しぶりにイオンが見えたら、その横の五條バスセンターで10分の休憩。

ここまでは景色も良く、まったく退屈せずにバス旅を楽しんできたが、この先はごく普通の市バスになって、乗り降りも増えるので最後の1時間はかなり退屈。

そうして出発から4時間、終点の近鉄八木駅に到着。
 
整理券の表示は109で4面にわたり、始発からの料金は5250円。
今回は途中、途中で下車をしていたので日本最長と言えども苦労なく、思ったよりも乗り心地も良くてバス旅を存分に楽しめた。
全額負担をしてくださった十津川村に感謝。

 
八木駅からは急行で京都へ向かった。


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コメント (4)
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