小湊で1泊した翌朝は快晴。
こうあってくれなければ海辺の宿を取った意味がない。
ところで部屋のテラスからは宿のお向かいにあるお寺が見える。
小湊は日蓮上人が生まれた所とされていて、だからこの周辺のお寺は日蓮宗ばかりなのだが、中でもこの寺は上人誕生の地に建てられたという、その名も誕生寺。
せっかくなので朝食の後にちょっと境内を覗いてみる。
石灯籠の並ぶ参道の途中に早速日蓮が生まれた時に湧き出してこれを産湯に使ったという「誕生水」。ただし時節柄か水場には蓋がされていて水に触れることはできない。
その先にあるのはこのお寺で一番古い1706年建立の仁王門。
楼上、扁額とは反対側に般若の面があるが、これが左甚五郎作と伝わるって本当かいな。
立派な松の横にはお子ちゃま姿の日蓮上人。
大きな祖師堂の方は時代が下がって1846年に建てられたもの。
堂内には赤い鯛がいっぱい。というのも日蓮上人が生まれた時、本来深海にいるはずの鯛が群れになって海面に現れたと言われているから。
その鯛が現れた場所が「鯛の浦」。
泊まった部屋の目の前から遊覧船が出ていて、昨日は修学旅行生がいっぱい乗っていたけれど、我が父も珍しく乗ってみたいと言う。
そこで宿をチェックアウトしてすぐ隣の乗り場へ。
今朝は我々親子の他にはお客さんが二人だけ。
出発して泊まった宿を海から眺める。
するとすぐに船が泊まって、スタッフのおじさんが餌のイワシを海面にまく。
窓を開けて海を覗くとすぐに大きな魚が寄ってくるが、お腹に黄色い線のある魚はどう見ても鯛ではなくて、「これはヒラマサ。鯛は深い所にいるのでこいつらに先に食べられちゃうんだ。」鯛は1匹ぐらいいただろうか、「これじゃ鯛の浦じゃなくてヒラマサの浦だね」っておじさん自ら言うか。
そこからちょっと行くと弁天島という小さな島があって
この海岸に日蓮誕生時に青い蓮が咲いたのでここは「蓮華ヶ淵」。誕生寺も本来はここにあったそうだが、大地震と津波のために現在の場所に移されたとか。この辺り、今でも大きな津波が来たらひとたまりもなさそうだ。
が、今日は幸いにして穏やかな海。
鯛の浦遊覧は30分で終了。日蓮ツアーもこれにて終了。
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