5月5日 続き
昼食後、門をくぐってノラヴァンク修道院へ。
山の中の修道院はさらに高い崖に囲まれ、ここも敷地内にいくつもの建物が散らばっている。
中央にあるのは14世紀に建てられたアストヴァツァツィン教会。
一階の入り口の両脇に2階に上がる狭い階段が付いている変わった造りで、危なっかしいので上らなかったが入った人によれば2階には何もないとか。
こちらは13世紀の聖カラペト教会。
小さな入口の上にはカーペットに座った聖母子の姿があり
広いガヴィットの奥の礼拝堂には最近の物らしいイコンがあって、ここが現役の教会であることを示している。
聖カラペト教会の脇にくっついているのはこれも13世紀の聖グリゴール礼拝堂。
小さな室内の床はこの地を治めた王族の墓石で覆われているが
ライオンと人間を合わせたような姿が彫られていたり、なにやら異教めいた目があったりでなかなかおもしろい。
敷地内には他にも修道僧のお籠りのためらしい小さな礼拝堂があって
中に見事な装飾の十字架がある。
他にも細かい彫刻の美しいハチュカルがたくさん散在していて、アルメニアはこれを見て歩くだけでも楽しい。
ノラヴァンクを出た後は時々羊に囲まれたりしながら高原を西へ向かい
そうするうちに次第に空が晴れてきた。
やがて到着したブドウ畑はアルメニアのシンボル、アララト山の手前にホルヴィラップ修道院が見えるという写真スポットなのだが
雲が多いとは言え大アララトの頂上が見えたのは朝からの曇天を思えば上出来であろう。
さらに教会に近づくときれいな虹まで現れた。
がっしりした石壁に囲まれたホルヴィラップ修道院に最初に教会が建てられたのは7世紀だが、ここが有名なのはこの地でアルメニアの聖人、聖グレゴリウスが時の王に13年間も井戸の底に閉じ込められ、その後改心した王がグレゴリウスを解放するとともに世界で初めてキリスト教を国教としたから。
と言うわけでこのシンプルな外観の礼拝堂の中に入ると
祭壇には聖母子像があるだけだが、その脇に人一人がやっと通れるほどの四角い穴があり、鉄の階段が垂直に下に伸びている。この下に聖グレゴリウスの牢獄があるということだが、さすがに同行者の中にここを下りる人はいない。
この牢獄の向かいに建っている教会は17世紀の物。
人気の巡礼地だけあってこれまでの教会に比べると祭壇もしっかり飾られ
立派な髭のおじちゃんがろうそくなど売っている。
ところでこの教会からトルコとの国境にある緩衝地帯まではわずか100m。
この写真でわかるだろうか、手前に鉄条網のフェンスが一直線に伸びている。
さらにその向こうの緩衝地帯には畑があって、今でもちゃんと耕作されている。
アルメニアでもトルコでもない No man's land。国境が引かれる前から土地を所有していた人の物なのだろうが、税金とかどうなるのだろう。
アルメニア人自慢のアララト山は現在はすべてトルコ領内だ。
ホルヴィラップからイェレバンまでは1時間ほど。
さすがに一国の首都とあって郊外から家が増えてきたが、市の中心に入る手前に巨大な工場の廃墟があるのには驚いた。
何の工場だったのか、どう見ても操業しているようには見えなかったが、都心に近いところでもそのままなのは解体の費用がないのだろうか。
写真を撮れなかったのが残念。
夕暮れの市内に入るとすぐに夕食のレストランに連れて行かれたが、今夜は意外にもレバノン料理。
コーカサスの料理もトルコの影響が強いので大差があるわけではないが
豆のスープに大好きなホムス、ババガヌーシュ。
平たいファラフェルは微妙だったが、「チキンカレー」と言われた煮込みは辛くはないがスパイス使いがコーカサス料理とは目先が違って好評。
どら焼きみたいなデザートまでおいしくいただいて、ごちそうさまでした。
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昼食後、門をくぐってノラヴァンク修道院へ。
山の中の修道院はさらに高い崖に囲まれ、ここも敷地内にいくつもの建物が散らばっている。
中央にあるのは14世紀に建てられたアストヴァツァツィン教会。
一階の入り口の両脇に2階に上がる狭い階段が付いている変わった造りで、危なっかしいので上らなかったが入った人によれば2階には何もないとか。
こちらは13世紀の聖カラペト教会。
小さな入口の上にはカーペットに座った聖母子の姿があり
広いガヴィットの奥の礼拝堂には最近の物らしいイコンがあって、ここが現役の教会であることを示している。
聖カラペト教会の脇にくっついているのはこれも13世紀の聖グリゴール礼拝堂。
小さな室内の床はこの地を治めた王族の墓石で覆われているが
ライオンと人間を合わせたような姿が彫られていたり、なにやら異教めいた目があったりでなかなかおもしろい。
敷地内には他にも修道僧のお籠りのためらしい小さな礼拝堂があって
中に見事な装飾の十字架がある。
他にも細かい彫刻の美しいハチュカルがたくさん散在していて、アルメニアはこれを見て歩くだけでも楽しい。
ノラヴァンクを出た後は時々羊に囲まれたりしながら高原を西へ向かい
そうするうちに次第に空が晴れてきた。
やがて到着したブドウ畑はアルメニアのシンボル、アララト山の手前にホルヴィラップ修道院が見えるという写真スポットなのだが
雲が多いとは言え大アララトの頂上が見えたのは朝からの曇天を思えば上出来であろう。
さらに教会に近づくときれいな虹まで現れた。
がっしりした石壁に囲まれたホルヴィラップ修道院に最初に教会が建てられたのは7世紀だが、ここが有名なのはこの地でアルメニアの聖人、聖グレゴリウスが時の王に13年間も井戸の底に閉じ込められ、その後改心した王がグレゴリウスを解放するとともに世界で初めてキリスト教を国教としたから。
と言うわけでこのシンプルな外観の礼拝堂の中に入ると
祭壇には聖母子像があるだけだが、その脇に人一人がやっと通れるほどの四角い穴があり、鉄の階段が垂直に下に伸びている。この下に聖グレゴリウスの牢獄があるということだが、さすがに同行者の中にここを下りる人はいない。
この牢獄の向かいに建っている教会は17世紀の物。
人気の巡礼地だけあってこれまでの教会に比べると祭壇もしっかり飾られ
立派な髭のおじちゃんがろうそくなど売っている。
ところでこの教会からトルコとの国境にある緩衝地帯まではわずか100m。
この写真でわかるだろうか、手前に鉄条網のフェンスが一直線に伸びている。
さらにその向こうの緩衝地帯には畑があって、今でもちゃんと耕作されている。
アルメニアでもトルコでもない No man's land。国境が引かれる前から土地を所有していた人の物なのだろうが、税金とかどうなるのだろう。
アルメニア人自慢のアララト山は現在はすべてトルコ領内だ。
ホルヴィラップからイェレバンまでは1時間ほど。
さすがに一国の首都とあって郊外から家が増えてきたが、市の中心に入る手前に巨大な工場の廃墟があるのには驚いた。
何の工場だったのか、どう見ても操業しているようには見えなかったが、都心に近いところでもそのままなのは解体の費用がないのだろうか。
写真を撮れなかったのが残念。
夕暮れの市内に入るとすぐに夕食のレストランに連れて行かれたが、今夜は意外にもレバノン料理。
コーカサスの料理もトルコの影響が強いので大差があるわけではないが
豆のスープに大好きなホムス、ババガヌーシュ。
平たいファラフェルは微妙だったが、「チキンカレー」と言われた煮込みは辛くはないがスパイス使いがコーカサス料理とは目先が違って好評。
どら焼きみたいなデザートまでおいしくいただいて、ごちそうさまでした。
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国境地帯には狸田も行ったポンが、こっちは緩衝地帯(というか民間人統制地域?)では耕作をしている雰囲気は全くなかったポン
場所によって違うのかわからんポンが、トルコ国境は鬼門ポン~~
いずれにせよ微妙なところですよね。
ましてやアルメニアとトルコの関係を考えると。
アルメニア人の恨みの深さ、すごいですよね。
びっしりと彫刻された石版を眺めながら、風にビュービュー吹かれつつ、野原を歩いてみたいなー。
アララト山に見事な虹!すばらしいですね。建物だらけの場所ではあんな完ぺきな虹は絶対に拝めませんもの。
わたしもホムス、好きですよ。
というか、わたしにとっては、それほどおいしいとも思えないんだけど、なぜかあと引く不思議な味。パフパフした香ばしいパンと一緒に食べたら、止まらなくなりそう。
普通のカソリックなどの教会とはかなり違いますが、暗い石造りに小さな窓からわずかに光が入る礼拝堂はとても厳粛な雰囲気で、宗教心のない私でもかなりぐっときました。
ただアルメニアの渋い教会は公共交通機関では行けないところが多いので、個人、特に一人旅ではきついのが難点でしょうか。
アララト山の虹はノアの大洪水の後にも出たそうで、添乗員さんがことのほか喜んでいました。
彫刻フェチの私にはたまらなく魅力的な国です。
ろうそく売りのおじさん、蝋人形化と思いました(笑)
ノアが行き着いたアララト山ってアルメニア(トルコ)だったんですね。
フランスのレバノン料理店でカレーって見たことない気がします。
でも、アラブ料理とインド料理って使うスパイスが似てるから、同じような物があるのかもしれませんね。
そういえば、以前パリのモロッコ料理店で食べたタジンもインド料理味でした。
模様はケルトのようでもあり、ペルシャやトルコに支配された歴史もあるのでイスラムの影響もあると思います。
細かいところを見れば面白彫刻もちょこちょこあって、タヌ子さんならもっといろいろ発見できたと思います。
レバノン料理屋の料理は「カレー」と説明されましたが、説明が面倒なので(笑)そう言われたような気がします。
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