Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

オマーンの旅 9 ニズワ

2017-03-10 18:34:32 | 中近東/北アフリカ
2月3日

 なかなか充実した朝食ビュッフェをいただいて、7時半にはホテルを出発。

向かったのはニズワで一番の見どころであるスーク。
本日金曜日には早朝から家畜市があるということで、同じホテルに泊まっていた西洋人たちもこぞってここに来ている。

 車でいっぱいの駐車場からこの小さな入口を入ると

ぞろぞろを着たローカルと山羊たちで大盛況。
 屋根の下は特に人でぎっしりで、なんとか中を覗きこんでみると
 
人垣の真ん中を売り物の家畜が引き廻され、買いたい人は呼び止めて値段の交渉をする。皆さん真剣で緊張感がビリビリ。
 
でも無事に買えればこの笑顔。

周りには順番を待つ山羊たち。
 
それが終われば次は牛が待機中。

 
たくさんいる仔山羊がかわいくて、子供たちも遊んでいる。

意外だったのは他ではあまり見かけない女性たちをこの家畜市ではちらほら見かけたことで
  
伝統的なマスク姿は近隣の村から家畜を売りに来ているのだろう。

 この家畜市の外には野菜や魚、肉などのスークが入るまだ新しい建物が並ぶ。

こちらでまず案内されたのはハルワというスイーツの店。オマーンでも有名な店だそうで、大きなカウンターに人がいっぱい。
  
 
大きな銅鍋でナッツやカルダモン、サフランなどを入れたスターチと砂糖を煮詰めるハルワはういろうかわらび餅のような食感。思いのほか甘すぎず、中東の香りがしておいしい。

その先は八百屋さんエリア。
  
 
最近日本のスーパーでも見かけるオマーン産インゲンももちろんある。

肉と魚は野菜とは別の建物に入っていて
 
白いタイル張りの小部屋に別れた肉売り場はかなり清潔そう。
 
魚売り場の方はオープン・スペースの台の上に売り手がいて魚をさばいているが、なぜかマグロばかり。焼いたものも売られているが、オマーン人はどうやって食べるのだろう。

食材売り場からさらに進むと他にもいろいろな店があって
 
渋い工房で銀のハンジャルが作られていたり
 
人だかりの中心では狩り用なのか、銃が売られていたりする。

スークを抜けたところにあるのが17世紀に作られたニズワ要塞。
 大きな見張り塔は高さ34メートル、直径が45メートルあるのだそうだ。

 
建物内部はちょっとした博物館になっていて、模型で要塞の周りに広がるスークの様子がよくわかる。
 
展示は古い装飾品や道具類など。
 要塞と言えばお決まりの牢獄ももちろんある。

この後はもちろん塔の上へ。

高い壁のへりを歩くのは自己責任で。

周りにはヤシの畑が広がり、その向こうにハジャール山脈が見えていい景色だが、残念ながら本日は天気が悪い。
 
塔の窓からは要塞のすぐ隣の大きなモスクや、スークに続く土産物屋などが見える。

そこで塔を降りて土産物屋が並ぶ一角へ。
 
仕立て屋さんの店頭に飾られた小さなディスターシャがかわいくて、店内のおにいちゃんは真剣に試着中。

銀細工の店では気に入ったピアスを見つけたのだが、値段を聞いてみると思いのほか高くて手持ちのリヤルがない。クレジットカードも使えなくて泣く泣く断念。あれ、ほしかった。


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オマーンの旅 8 ワディ・グルのハイキング

2017-03-08 19:27:47 | 中近東/北アフリカ
2月2日

 宿でしっかり朝食をいただいて、8時には出発。

 ヤシ畑の中を通り、
   
石造りの家の間を縫う石段を上がって行くと
 10分もかからずに車道に出てしまった。往路の苦労は案内するドライバーのサービスだった?


この村、もうちょっとゆっくり楽しみたかった。

 村を出た後はスーパーにちょっと寄ってからまた山の中へ。

途中、景色のいい所はあるのだがどんどん先に進んでしまって(笑)、やっと停車したのはオマーン最高峰、3009mのジュベル・シャムス山が見える所。

ダラダラと緩やかな稜線なのであまり高く見えないが
 良く見ると頂上には建物があって、これは軍の施設らしい。

次に向かったのはオマーンのグランド・キャニオンと呼ばれる所。
旅行社にはアル・キタイムと紹介されたが、地図やロンプラにはワディ・グルと記載されている。

まずは展望台から下を覗き込むと
 谷の底は見えず、崖の途中に細い道が続いているのが見える。

その道を歩くべく、駐車場のある小さな村へ。
 
山羊のうろつく中、村人が露天を出しているが、冷たい飲み物はともかく、ただの石を買う人がいるのだろうか。

用意を整えたら早速出発。この村の標高が約1900m。
 
道は岩の間を縫って、多少のアップダウンを繰り返しながら谷を下って行く。

思ったよりも崖っぷちを歩くわけではないので怖さはないけれど
 
谷底を流れる川はまっすぐな崖の遥か下。500mほどだそうなので本家グランド・キャニオンの半分ほどの高さだろうが、十分に雄大な景色は写真には納まらない。

 
進むにつれて周りの崖が高くなる。まったく日陰はないけれど、思ったほどの暑さではないのは助かった。

途中、写真を撮りながらマイペースで歩いて、着いたのは岩が屋根のように張り出している所。
 ここまで1時間45分、ちょうどお昼ということでここでピクニックをすることに。
 
4人のドライバーたちがスーパーで仕入れた野菜類を切ってくれて、ホムスや魚の缶詰と一緒にピタサンド。

こんな景色を眺めながら食べるお昼はもちろんおいしい。

ここで休んでいるとさらに先まで行って戻ってきた他のハイカー達が時々通る。
オーストリアやドイツからのゲルマン系が多く、彼らは帽子もかぶらずすごい軽装。さすがタフな民族だ。

食事に30分ほどかけて、我々はここで引き返す。
 今度は登りなので来た時よりもちょっとしんどい。

でも光が変わって朝よりも遠くの景色が良く見える。
 とガシガシ歩いていたらゴールの村が見えてきた。

到着してみたら帰路は1時間ちょっとで戻ってきてしまった。
標高差は200m、歩いた距離は約10キロ。いい運動。

 こんな景色を見ながら山を下りると

麓にきれいな畑の広がるいい雰囲気の村があった。ここもイエメン系の村だそうだが
 
畑の奥に見える土色の家々は廃墟、今はワディの向こうに新しい家が作られている。そちらにはちゃんと電線が通じているし、仕方ないよね。

 車はこれでハジャール山脈を離れ、夕方ニズワの町に到着。

町の中は素通りして、今夜の宿は町はずれにあるこちら、Al Diyar。
 
ホテルの前には見事に何もないが
 今回のオマーン旅行では一番いいホテル。
特にレストランの食事が良くて、
 
定番中東料理がどれもとてもおいしい。
 
しかし添乗員女史、ちょっと頼みすぎでしょ。


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オマーンの旅 7 アル・ハムラ~ミスファット

2017-03-05 12:25:40 | 中近東/北アフリカ
2月1日 続き

昼食を摂ったのはアル・ハムラの新市街だが、次は旧市街へ向かう。


緑のヤシ畑の向こうに見える茶色い家並みが旧市街。
この町は1950年代の反乱の際、国王を支援する英国軍によって破壊されたのだとか。

そんな一角に入ると周りの家々は閑散として確かにあまり人が住んでいないようだが、建物は結構残っている。
 
土壁に小さな窓が並ぶさまはイエメンに似ている、と思ったらこのあたりの住民は昔イエメンから移住してきたのだそうで、だから昼食のレストランもイエメン料理だったわけ。

 入って行ったのはこの中の一軒、「ベイト・アス・サファー」という民俗資料館。
階段を上った2階が居住空間で、本来はガイドがこの家の説明をするはずだが先客がいて忙しい。


そこでまずは雰囲気のいい客間でオマニ・コーヒーとデーツをいただく。 

ヒョッコリ顔を出したおじいちゃんも味がある。

ガイドがまだ空かないので、次は勝手に台所へ。
 
階段を降りた土間にはむしろが敷かれ、女性が二人待ち構えている。

ここで見せてくれるのは最近日本でも有名になったモリンガ・オイルの作り方。
  
まずはモリンガの種を炒って外皮を剥き、中の種を石ですりつぶしてこれをぎゅうぎゅう押す。するとオイルが抽出されると言うわけでなかなかの重労働。一本いくらだったか、グループのおばさんが一人、在庫をすべてお買い上げになった。

 
もう一人のおばさんは生地をぺたぺたと鉄板に押し付けて薄焼きパンを作ったり、組紐を作ったりと愛想がいいが、腕に巻いてくれる組紐は「1リヤル」。オマーン・リヤルは約300円なので、気を付けないととても高い。

そうこうしているうちに時間がなくなり、結局ガイドの話は10分も聞かずに退散。
こうした家に家族2、30人も暮らしていたこと、今でもオマーンは大家族で住むのが一般的であることだけはわかった。

次に向かったのはアル・ハムラの上に見えていたミスファット・アル・アブリーンという村。
 山の中腹、標高約1000メートルにある。

近づくと道路沿いに新しい家は建っているものの、古くからある村の中心部へは車は入れないということで、一泊分の荷物を持って徒歩で今夜の宿へ向かう。
10分もかからない、と言う話だったのだが
 
岩のゴロゴロする斜面をヤシ畑の向こうに見える家々に向かってひたすら下り。
 
途中からはファラージと呼ばれる灌漑システムの水路のへりを歩いて20分強。やっと宿の看板が見えて
 Misfah Old House に到着。名前通り、伝統的な村の家がホテルになっている。

ここに到着したのが17時。
本来はこの昔ながらの村を2~3時間歩くはずだったのだが、民俗資料館で時間を喰ってしまったのでもう日暮れが近い。

と言うことで荷物だけ置いてすぐに出発。

  
ファラージをたどって岩場まで。この奥に水源の泉があって、各畑への水の供給は村人によって厳格に管理されているのだそうだ。

 
村の周りには岩壁がそそりたち、畑にはバナナやパパイヤの木も見えるがほとんどはデーツ。
宿の近くに戻ると紐一本でヤシの木に登る様子を見せてくれたが、見ると別の人が面白いものを持っている。
  
1メートルもある大きな莢のようなもので、中にびっしり見えるのがヤシの花だとか。初めて見たが、この花一つ一つが実になるとしたら、そりゃいっぱいできるはずだ。

その後ようやく宿の部屋に入って一息。
 
建物は2つに分かれ、各フロア3部屋ごとにお湯の出るバスルーム付き。
部屋にはエアコンも完備、お布団もタオルもきれいで、ロビーにはWiFiも飛んでいる。

 
夕食は階段を上がった屋上で。
 
やさしい味付けのグリルチキンや野菜の煮物。デザートにはこの村で採れたデーツ、これがおいしい。

 村の夜は静かで良く眠れた。


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オマーンの旅 6 マスカット~アル・ハムラ

2017-03-02 18:48:08 | 中近東/北アフリカ
2月1日

朝8時にムトラのホテルを出発、マスカットの町を抜けたところにあるグランド・モスクへ。

 
このモスクは現国王スルタン・カーブースが自身の即位30年を記念して私財を投じて作らせたものだそうで、完成は2001年とまだ新しい。

入口で靴を脱いで、まずは小さな女性用礼拝室へ。
 
シャンデリアやステンドグラスが美しいこちらの礼拝室でも750名を収容できるそうだが、
 こちらの扉からメイン・ホールに入ると
 
6500名が入れると言うこちらは大きさよりもその豪華さに圧倒される。

 
中央のドームから下がる巨大なシャンデリアはイタリア製、イラン製のカーペットはアブダビのシェイク・ザーイド・モスクに抜かれるまで世界最大だったそう。
   
 
ミフラブはもちろん、壁や天井のタイル、窓のステンドグラスなど細部も凝りまくっていて、豪華ではあるけれど全体の雰囲気は落ち着いていて祈りの場にふさわしい。

 
建物の外側は白い大理石がすっきりと美しく
 
建物をつなぐ回廊がまた凝っていて
   
  
柱の間を飾るタイルのスタイルが場所によって違う。どれも素敵でうっとり。


モスクの周りも大勢の庭師によって美しく整えられ、王様は誠に趣味が良くていらっしゃる。

ところでオマーン国内で非イスラム教徒が入れるモスクはここだけだそうだが、入る時には入口の風紀委員のような係員が女性が肌や髪を出していると厳しくチェックする。
我々と入れ替わりにクルーズ船の大団体がやって来たが、欧米人の中にはなんでそんな恰好で、と言う人たちが結構いて、そういう場合には入り口横の売店でアバヤとスカーフを借りる。見ていると売店のおばさんが巻いてくれるスカーフがかっこよくて、自分もおばさんに巻いてほしかった。

モスクの見学を終えたら車はマスカットを離れ、内陸のハジャル山脈へ向かう。


麓のガソリン・スタンドで燃料補給をしたが、ガソリンはリッター56円ぐらい。

  
舗装路を外れて山の中に入って行くと、緑はまったくなくなって周りは岩だらけ。
  
面白い形の岩山やすごい地層が見える所があったりで雄大な景色が続く。標高も峠では2000メートルもあったが、なぜか先頭車は景色のいい所で停まってくれない。
今回のドライバーたちはみな若くて、リーダーも日本人が写真を撮りたがるスポットを理解していなかった様子。もったいないことをした。

 そうこうしているうちに岩山の中のオアシス村を通り過ぎ
 下りに入ると舗装路になった。


これを降りきったところにあるのが乾燥しきった道路脇に真っ白な家々が並んでいるアル・ハムラ村。

本日のお昼はイエメン料理のレストラン。
 
入り口脇のキッチンでは炭火で料理が作られていて
 
大量のご飯と共に出された魚ももちろん炭火焼。イエメンでもそっくりな魚を食べたっけ
しかしこの魚よりおいしかったのはこちら↓
 ラクダ肉の煮込み。
玉ねぎやトマト、ターメリックなどのスパイスを使って煮こまれた肉は柔らかくて、言われなければおいしい牛肉だと思っただろう。脂身もほとんどなくて、モロッコのタジンもおいしかったがこちらの方が好きかも。
 でもドライバーたちの食べていたこちらはさらにおいしそうだった。


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