2月5日 続き
残念な夕食の後、宿のお姉さんが近所でランタン祭りをしていると言っていた所に行ってみることにした。
教わった所に行ってみると、狭い路地の入口に門が立ち、大勢の人が詰めかけている。
路地の中はさらに多くの人でいっぱい、頭上には色とりどりの提灯がたくさん下がってにぎやか。これが200mほども続いている。
提灯の絵柄はすべて手書きらしく同じものは2つとない。
子供の落書きのようなものからプロっぽいものまで、今年の干支のうさぎが多い。
先に進むと廟があって、この境内にもたくさんの提灯。
お参りの人も多くて、どうやらこの廟の元宵節のためのランタン祭りらしい。
暗い空にまん丸い提灯は縁日の水風船が空に浮かんでいるように見える。
廟の脇には静かな路地があったのでそちらへ入ってみる。
すると途中の階段を上がった所にまた別の廟があり、覗くとおじさんが見ていけと手招きするので入らせていただく。
ちょっと不気味な人形もあったりして、道教のお寺はよくわからないけれど、勉強すればなかなか面白そうだ。
さらに閉まって静かな市場の中を抜け、大通りに出ると向かい側にまた人が大勢集まった路地がある。
ここはガイドブックにも載っている神農老街。
古い家並みが残ってフォトジェニック、のはずだが、ここも人が多すぎ、開いている店はチープな感じ。
それでもずっと歩いて行くとやがて店がなくなり、人通りも少なくなって、突き当りには派手で大きな廟が現れた。
その脇には驚くほどの大木があって、ここはまた明日、明るい時に来てみよう。
宿に向かって引き返すと、大通りで高雄でも見たにぎやかな行列に出くわした。
大音量で音楽を流し、お神輿まで電飾で飾られているので発電機を引きずりながらの行列。
中華の神様はとにかく派手だ。
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2月5日 続き
さて、台南での宿は駅から車で10分弱の場所にある「Thinking Homestay」という民宿。
台南で今人気らしいケーキ屋の横の狭い路地を入ると
すぐにしゃれた入り口が見える。
扉は閉ざされていて、スタッフとの連絡にはLineが必要。最近はどこでもネット環境が必要なので、現地SIMがないと大変。
入口を入ると中はちょっと雑然とした骨董屋みたい。壁には古い日本語の看板がいくつもかかっている。
突き当りには中庭をはさんで部屋が見えるが、我々の部屋へは靴を脱いでその手前の階段を上がって行く。
2階には共用のミニキッチンがあって、
もう一段、急な階段を上がった狭い廊下の先が我々の部屋。
入ってすぐは大きなテレビとテーブルセットのあるスペースで
その先のベランダへのガラス扉がなんともレトロ。
寝室は一段上がった木の床になっていて
その奥におそらくキッチンだったと思われるスペース、そのさらに奥がバスルームで、このタイル張りが昭和っぽくて懐かしい。
窓から覗くと他の部屋の窓が見えるが、どうやって行くのかよくわからない複雑な造り。
古い家をうまくリノベーションしていて、チェックインしてしまえばあとはほったらかし、自分の家のように過ごして、最後は鍵をフロントに置いて出て行くだけ。
快適なホテルもいいが、こういう宿が大好き。
部屋でしばらく休み、暗くなってきたところで夕食を求めて外へ。
宿からちょっと行くと電飾で華やかな廟が見えて
その先にあるのが赤崁楼。
鄭成功がここにあったオランダの要塞を攻め落としたのでこの中国風の廟の中は鄭成功万歳だが
元はこんな形だった。
土産物屋もビールからチップス、ポップコーンまで鄭成功様様。
夕食は台南に来たからには担仔麺を食べねばなるまい、と一番の有名店、度小月に行くことにする。
台南には本店があるけれど、歩き疲れていたので赤崁楼のすぐ隣の支店へ。
するとこれがあけっぴろげの庶民的な店。メニューを見ても大したものがなくて
担仔麺はともかく、イカなどまずくて食べられない。
後でネットを見直すと本店に行けばちゃんとした席で他の台湾料理も食べられたよう。
メニューを見た時点ですぐに方向転換すればよかった。
台湾の貴重な一食を無駄にして反省。
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週末にテレビを見ていたら近所で面白そうな企画展をやっているのを発見。
そこで週明けの平日に早速おでかけ。
やって来たのは目黒雅叙園。
ロビーに入るとすぐに企画展の受付があるので、オンライン・チケットを見せてエレベーターへ。
もうこのエレベーターが内にも外にも唐獅子の蒔絵で豪華なのだが、3階で降りて靴を脱ぎ、向かったのがこのホテル自慢の百段階段。
1935年に建てられた目黒雅叙園3号館には99段の階段の脇に趣向を凝らした部屋が並び、階段の天井にも美しい絵が描かれているのだが
途中にあるお手洗いまでこの広さ!
階段を上がって、一番下にあるのは天井に荒木十畝の花鳥画のある「十畝の間」。
天井画はもちろん素晴らしいが、建具や長押の装飾の凝っていること。
次の「漁樵の間」は派手派手!
壁から欄間、天井まで極彩色に金をふんだんに使った立体感ある絵で覆われ、柱の彫刻も立体的。
この部屋にはたくさんの吊るし雛が飾られ
中央には女の子たちの生活場面を表した人形。
そしてこの部屋で一番かわいかったのは狐の嫁入りの行列。
もうこの部屋では見学者から「かわいい~」の大合唱。
「草丘の間」も天井画はあるもののぐっと落ち着いて障子建具が美しく
この部屋にはさまざまな手毬が飾られているが、天井からつるされた白い手毬がまるで惑星が並んでいるよう。
「静水の間」の天井画は扇子模様。
次の「星光の間」の欄間には四季の果物や草花が描かれているのが楽しいが、それ以上に楽しいのがこの部屋の展示で
もりわじんという作家の日付入りの招き猫が366体。どれもふざけた格好の猫たちの中から当然、自分の誕生日を探す。
この上にあるのが鏑木清方の絵で飾られた「清方の間」。
天井も欄間もさすがのたおやかさ。
この部屋には干支のうさぎにちなんだものが並んでいたが、アルチンボルドのような招きうさぎはちょっと不気味かも。
99段を上がった最後の頂上の間は休憩室になっていたが、こちらにも天井画があって
細部まで凝った造りの部屋に現代作家の「めでたい」工芸品を合わせたこの企画展は期待以上に面白かった。
百段階段の見学を終えたら華やかな館内を通って
このホテル名物のおトイレへ。赤い橋を渡って入る個室は
漆塗りの扉に凝った窓、天井からはきれいな舞妓さんが見下ろしているのだ。
雅叙園は実はその隣のビルに何年か通勤していたことがあるのだが、百段階段は見学したことがなかった。
灯台下暗しとはこういうことを言う。
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