文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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異世界失格 1

2020-11-26 09:15:10 | 書評:その他

 

 タイトルから分かるように、モデルは色々と人間失格なあの人のようだ。そう昭和23年6月13日に心中したあの人のことだ。何度も自殺未遂や心中未遂を繰り返し、さんざん人に迷惑をかけ、とうとう成功したのはいいが、どういう訳か異世界・ザウバーベルグに転移する。なお、心中の相手は史実とはことなり「さっちゃん」と言う人物。この人は冒険者とかセンセーと呼ばれている。

 もうひとつ異なることがある。史実では入水して心中しているが、この作品では、入水する前に心中相手といっしょにトラックに轢かれてしまう。異世界転生ものは、トラックに轢かれたことがきっかけというものが多い。実は、あのトラックこそ、「異世界当選トラック」だそうだ。

 異世界ものといえば、女神様がチート能力を転生者や転移者に与えるのだが、この作品では女神様は出てこない。代わりに出てきたのがアネットと言う女性神官。

 転位者なら超人的な力を持っていると言う設定が多いのだが、このセンセー、レベルが1、HPが1で状態がもうどく(カルモチン)。アネットも「こんなに弱い転移者を・・・見たことがない!!」と言うくらいだ。放っておくと、カルモチンをポリポリ。

 でもセンセーにこの世界で生きる意味ができた。さっちゃんを探して、今度こそ心中をするつもりだ。最後に「さっちゃん」らしい人物が出てきたが、果たしてどのようにセンセーに絡んでくるのか。

 それにしても、この作品、オマージュなのか、パロディなのか。とにかく笑える。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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