いま、我が家は、とれとれ農園・市場状態にある。
デラウエア(小粒のブドウ)・桃・スモモ・さくらんぼが、冷蔵庫にココ狭しと、ぱんぱんに入っている。
もうすぐすると、桃がまた大群でやってくる。
いただきものをするのは、たいへん、感謝して余りあるのだが、なにしろ、一度に、大量に、重なると
生ものだけに、非常に焦る。
昨日のデラウエアにいたっては、4キロもあった。
我が家における果物の消費者は、ほとんど、わたしひとりしかいない。
(わたし以外の人間は文化人でないからだろうか、なぜかフルーツを好まない)
わたしの持論は、文化人たるもの、スポーツとフルーツをこよなく愛する、と、勝手に決め込んでいる。
じつは、わたしとて、文化人ではなく、
いただいたからには、食さねばならぬ、と、なかば義務感にもかられつつ、かなり無理をして食べている。
わたしのスポーツも、ジムと社交ダンスでは、どう見ても、老人の健康維持対策にしかすぎない。
ま、それはそれとして、果物は、遠くにいる娘に送るにも、けっこう、めんどくさい。
(冬にも送ったけれど、荷造りをして、床暖房の上に置いたままにしていたので、おそらく、届いたモノは・・・。
あれは、情けない失態だった・・・)
ある程度、ためてからでないと、いろんな種類を混ぜられないし。
あちこち、おすそ分けをすると、送料が、ばかにならない。
ご近所に配り歩くことになるのだが、皆さん、はたして、どうお思いのことやら、・・・・。
日ごろ、ちっとも交流がないのに、おすそ分けばかり持っていくのは、かなり気が引ける。
到来モノをやりとりすることが、交流の一環だという考えもあるだろうけれど。
ありがとう、と笑顔でアタマを下げて、もらってくださる、としても、
先方様も、季節モノをいっぱいもらっていて、うんざりしているかも知れないし。
出会い頭に、「今、○○、ある?」と聞かれて、「あ、あ~、あります」と心苦しく答えると、
「そうやろうねえ。どことも、そうやわ」と、持って行き場に困っている、あまり親交のないご近所の方もいた。
わたしは、そういうのが、いっさいがっさい、めんどくさい、
生活全般、暮らし全般、人生全般が、めんどくさがりなのだ。
到来モノを配り歩くのは、生きているのが面倒になるほど、わたしにとっては、めんどくさい一大事だ。
出先でも、大きなフルーツを配り歩く人がちらほらいて、
「ごめんね。荷物になるだろうけれど」
と言って、カバンにねじ込んでこられる。
彼女の気持ちも、とてもよくわかる。
生の到来モノに、振り回されているようだ。
近所だけでなく、出先の都心にまで、到来モノを持ち込むぐらいだから、
おそらく近所では、配りきれなかったのだろう。
たいして、仲がよいわけでもないのに、この人ならいいだろうと思える皆さんに配っておられる。
彼女の、自宅から都心まで、どっさり、かさばる果物を持ち込む重さ、
皆さんの、都心から、遠く離れた自宅まで、持ち帰る、かさばり、重さ、
ご苦労様です。
かさばる重いものを持ち込んで、アタマを下げてまで、皆さんにもらっていただいている彼女を見ると、とても人ごととは思えない。
子供が小さい頃、生協に入っていたので、
食品がまとめて配送されるお宅に、注文していた自分の分を取りに行ったついでに、
到来モノをいくつかに分けて袋詰めして、皆に持って帰ってもらっていた。
りんご箱(ダンボールの)ひと箱、とか、みかん箱ひと箱、柿ひと箱とか、そういう、大量の果物をいただくと、
それも、なん箱にもなると、えらいことになる。
うちのほうからも、季節モノの果物を箱単位で、あちこちに送っているようだけれど。
皆さん、果物がお好きな方が多いみたいだけれど、わたしは、味見程度の分量の果物がいい。
2個とか4個入りとか、そんなのが、いい。
贅沢な悩みで、石をぶつけられそうだ。
お互い、そういうブツブツ交換が、気持ちの交換であり、交流であり、お付き合いなんだとしたら、
わたしは、人付き合いは、苦手だ。
日ごろは、冷蔵庫は空に近くて、飢餓状態、
お中元・お歳暮時期は、種類も重なり、あふれかえっているって、どんなもんだろう?
自分の食生活を自分でコントロールできないのは、少々辛い。
自分が欲しいモノを、欲しい時期に、欲しい分量、欲しい。
これもまた、石をぶつけられそうだ。
お互い、やめたらいいと思うのだが、内需拡大、国内景気後押し、経済牽引のお役に立たなければいけない?
到来モノがたくさんある人と、到来モノが全くない人とが、同じ生活圏に混ざって交流していることが望ましいのだが、
一方的にあげるばかり、一方的にもらうばかり、これで、すんなりお互いスムーズなお付き合いができるかどうか。
現実問題としては、難しいものがある。
ちなみに、トップ画像は、母が庭で植えたアジサイを、屋内で生けたもの。すごく大ぶり。
菖蒲も子供の頃から庭に咲いているもので、この季節、青々して爽やか。