最近・・・
膝が痛い。
腰が痛い。
目が痒い。
鼻が出る。
歯が悪い。
目が悪い。
季節の影響もあるが、年のせいでもある。
もともと、若い頃からのお付き合いのものもあるが、
ああ、わたし・・・けっこう、年だって、しみじみ感じる。
ずしっずしっ、どしっどしっ、と、老いが向うのほうから、やってきている。
アタマが悪い。
言ったことを忘れる。
聞いたことを忘れる。
人名、漢字を忘れる。
言おうとすることが、よくわからない。
新しいことが覚えられない。
「いつ、どこで、誰と、話した? 買った? 食べた? 見た? いくらだった?」を忘れる。
予定や出来事は、メモが必要。
複雑なことをぺらぺらスピーディに、しゃべられると、意味がわからない。
比較的かんたんなことでも、理解が遅い。飲み込みが悪い。
アタマの交通整理係が、休暇をとっている。
(これは、若いときからだ・・・)
道に迷う。
180度、または360度、回ると、方向感覚がゼロになる。
電車に乗ると、毎日乗っている電車でも、座る座席の位置で、下車してから、まったく逆方向に歩き出す。
お店でトイレに行くと、自分の席にたどり着くのに、まごまごする。
一旦お店の外に出ると、その店に戻るのに、迷う。
下準備をしない。
ツメが甘い。
交通ルート、目的地へは最後は、駅からタクシーで、と考えるのはいいが、
タクシーに乗ろうとすると、田舎すぎてタクシーがない。
出席時間に到着しそうもなく、焦る。
などなど、書けばキリがない。
しかし、わたしとしては、順調な老化であると、とらえる。
老化は、悲しいことではあるが、嘆かわしいことではない。
杖を用意すればいい。
赤ちゃんは、昨日、できなかったことが、今日、できている。
老化は、昨日、できていたことが、今日、できない。
たんに、時計の進み方が、逆になっているだけだ。
人間は、生まれて、死ぬ。
これは、悲しいことではあるが、嘆かわしいことではない。
覚悟していれば、少しはマシ。
だが、往生際が悪いのも、ひとつの美学。とても人間らしい。
若い頃には、まったくわからなかったことだ。
なので、若い人に理解せよ、というのは、無理。
ただ、多くの世代の人たちと日頃、接している人と、そうでない人とでは、理解度が違うだろう。
不条理の摂理、横たわる不動の壁。
若いときは、そんなこと、まったく考えなかった。
でも、人生の残り時間が少なくなると、時間が貴重になる。
赤ちゃんは、すごいエネルギーの塊だ。