先日読んだ、著者の「消費は誘惑する 遊郭・白米・変化朝顔」はあまり課題が多いため、他はどうかと読んだが輪をかけての課題ある内容だ。こういう本が出版されるというのは一種の驚異だ。
問題点を羅列する:
・「生産」と「消費」を観点にするなら地域GDPの両面の分析が無いのはなぜか。経済学、都市経済学は必須だ
・全総の歴史を学ぶのが基本: 東京と地方の対比を理解していない(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E7%B7%8F%E5%90%88%E9%96%8B%E7%99%BA%E8%A8%88%E7%94%BB )
・エッジ・シティ:アメリカの一部でもてはやされた、都市周縁開発は都心再開発より手っ取り早いディベロッパーが好んだから、日本では高度経済成長時のスプロール(郊外拡大)はあったがエッジ・シティとは呼べるクラスターは思い浮かばない。バブル期にもてはやされたが、関西では彩都を初め見直しが多かった。エッジといえるのは神戸のポートアイランドの医療集積くらいだ。そもそも今は、コンパクト・シティが世の習いだ。
・駅前の衰退と自動車の利用進展は結果であり、その理由、背景分析がない。単なる一般論だ。地方都市のCBD衰退の実態を検証しておらず単なる文献研究に過ぎない
こういう本が出版されるというのが、昨今の出版不況の要因だろう。出版数は増加したが、質が低下したため、販売数が減少をまねいている
この本を読んで得るものはなんだろうか、この内容で出版できるとは大したものだと感心する