都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

百貨店の閉店が多い:装置型商業の限界か

2016-09-16 04:36:56 | 都市計画

 百貨店はDepartment Storeとあるとおり、ボン・マルシェを嚆矢に多数の専門店を1つの店舗にまとめたものだ。ひとつにまとめる装置としてエスカレーター、エレベーター、アトリウム(吹抜け)などが必要となった。また、一つのお店としてセールやイヴェントの開催での集客、在庫管理、割引管理が優位性となった。

 バブルの頃、MITで「かつてデパートには夢があった」というのを読んで今に日本もそうなるかと思ったら、10年後にそごう、西武の破綻もあり閉店ラッシュとなった。

 最近も、和歌山や柏、千葉での閉店が多い。なぜかと商業コンサルに聞いたら、「ショッピング・センター(SC)では賃料は10%、デパートでは消化仕入れ、派遣、場貸しなど色々だが30%相当」と、装置と人員にお金がかかっているため賃料の比較優位がないことがある。さらに大型専門テナント(ユニクロや西松屋、ニトリなど)の台頭があること、百貨店はシルバー・ターゲットでサービスに変化していることなどもある。

 かつて百貨店に行くのは週末の行事で、都心の楽しみが凝縮していた。しかし、今や「街」の時代でぶらぶら歩くのが楽しい。というのも、物が売れない、再利用(オークションなど)やレンタルも多い。商品情報も豊富だ。箱もの商業は限界で、シルバー層がゆっくり楽しめるというのが優位と言える。

 どうにかならんかという問い合わせが多いが、伊勢丹がやっている平場の企画ものなど、「大きなセレクト・ショップ」となるか、サービスを売り物にするか、外商に特化し御用聞きコンサル型などしか方策を思いつかない。

 前の阪神百貨店の事例で、今後の百貨店は、催し、デパ地下、飲食の3本立ては参考になる。日本型の百貨店のあり方を模索しているが解がない。

 かつて、百貨店のお子様ランチに夢があった、いまならなんだ?

コメント (2)
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