都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

小林一三 (鹿島茂):歴史人口学からの着想と事業の分析

2019-06-15 02:18:32 | マクロ経済

 歴史人口学とは:

①工業化段階前:乳児死亡率が高い(明治前半)

②工業化の到来:乳児死亡率が低下する「死亡率転換」で自然増加率が上昇(1890~1920)

③工業化の進展::出生率が死亡率を上回り、出生率が低下する「出生率転換」で自然増加率が低下(1920~1990)

④出生率、死亡率の低下の小産小死で人口減少(1990~)

 小林一三は1910年(明治43年)に阪急の前身を開業し、郊外住宅である池田室町を分譲し住宅ローンで販売し、上記②の時代に対応。中産階級(ブルジョワジー:父のみが働く)の時代にはアミューズメントを上記③の時代に対応。

 知見は:

・百貨店でも安く売る(薄利多売)、人が集まる駅に立地させると効率的

・利益はお客に返す、お客は又利益を持ってくる好循環になる

・阪急百貨店は2階 食料品、3階 化粧品や雑貨、4階 紳士もの 5階 婦人もの、和服 6階 家具、荒物など高級呉服は競合があり排除

・松竹より安い(半額以下)東宝、大規模、安い建築、因習にとらわれない、新しい出し物(出演料が安い)

・江東楽天地は松竹の浅草に対抗

・観光開発素案とサラリーマン用のホテル開発

・東宝の労組問題、乗っ取りなど

・最後までこだわったコマ・スタジアム:コマのように回転する回り舞台

 

 竹中工務店の技術や経営参加が記されているのも両者の親密性を感じる。後の3番街やHEP5なども竹中工務店の作品だ

コメント
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