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年金に不足2,000万円は当たり前では、経済的にも正しい、政治が不安をあおり経済を停滞させる

2019-06-17 02:14:03 | マクロ経済

 金融庁の報告書を受け取らないという麻生太郎財務大臣の発言が物議をかもしている。しかし、今まで、老後には「年金以外に3千万円必要」などという試算や記事があった。いまさら、2千万円で驚くことはない。

 また、Life-cycle hypothesis ( https://en.wikipedia.org/wiki/Life-cycle_hypothesis )、ライフサイクル仮説( http://wakarueconomics.com/%E7%B5%8C%E6%B8%88/post-898 )があり、生涯を過ごすために貯金をしておくのが合理的な行動という分析もある。退職時に貯金が0というのは前提として疑問がある。

 さらに年金は、老齢厚生年金であれば「定額部分」と「報酬比例部分」があり、多く納めた(給与が高かった)人ほど多くもらえる仕組みだ。しかも給与が高かった人は多く貯金があると考えられ、老後に資産と収入両面で余裕ができると考えられる。今回の金融庁試算の年金月額19.2万円はむしろセーフティ・ネットと見なすべきではないか。

 野党も鬼の首を取ったかのように「100年安心」は崩壊というのは如何なものか。もし、それが実現できるなら、100歳まで高齢者の面倒を見る社会として、勤労世代が理解できるだろうか。要は、給付と負担が世代間のやり取りとなる仕組みが分かっていないとしか思えない。もし、実現させるなら、増税であり、消費税上昇などの量的対応か課税対象の拡大の質的対応、所得税の累進強化による所得移転の方策しかない。年金の原資確保のため、世代間、所得階層間の痛み分けを言わないのがおかしい。

 今回の政治的騒動で、上っ面の言い合いのみで、経済的な観点で合理性がないのがよく分かった。政府を信頼せず、金融庁の指摘通りに「貯金と運用」が老後に必要だ。そのため、消費が低迷し、デフレと低成長経済の弊害にもなっている。

 社会不安が、経済の足を引っ張る

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