虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

早期教育のメリットは? デメリットは? どこにどのような問題があるのでしょう 5

2013-02-06 04:40:45 | 初めてお越しの方

 

幼児期というのは、自分というかけがえのなさ、唯一無二のすばらしさを

周囲の人々に祝福されながら噛みしめていくような時期だと考えています。

 

世界にたったひとりしかいない自分、

他の誰とも交換しようのない自分、

何の結果もアウトプットしなくても生きているだけで周囲を幸せにし、

何があろうと絶対に価値が減ることなんてありえない自分。

 

周囲から大切に扱われ、愛情をたっぷり注がれて、

損得勘定とは無縁のまなざしを受けながら

そんな自分の特別さに気づいていく過程だと感じています。

 

また、自分が出会う経験とは他の誰の経験をなぞったものでもないし、

自分が表現するものは誰と比べることもできないものであり、

自分が思いついたことや考えたことは、自分の世界に影響を与えて、

楽しくて面白い体験をたくさん作りだすことができるんだ、ということを

実感していく日々でもあるのだと。

 

「お月さまが自分のうしろをついてきた」

「窓をあけると、お月さまがこんにちは、って自分に会いに来てた」

そんな体験のひとつひとつは、その子のその時期の唯一無二の体験ですから、

大人の鈍った感受性やウンチクで

安易に浅い人工的なものに変えてはいけませんよね。

 

できるのは、体験を物作りやごっこ遊びの場で再現して

何度も感動を味わいながら、お互いの心にしみ込ませるくらいのことです。

そうした感動はお友だちといっしょに分けあい、

共鳴しあうこともできるのを知るだけです。

 

おもちゃのドアをトントンする人形がいて、ドアを開けた瞬間。

そんな遊びの一シーンに全身で喜びを感受することができるのは

幼い子たちだけです。

そんな感度の高い感受性を持った大人なんて

聞いたことがありません。

 

「早期教育をして子どもを賢く育てたい」と思った時、

わたしたちは、ハウツーを説く情報の方に価値をおいて、

目の前の子の感受性に敬意を払うことを忘れがちになります。

すると、情報を手に傍若無人に振舞う大人の心に荒らされて、たちまち子どもの感受性は枯れていくものです。

 

情報は役に立つし、大切でもあるけれど、

子どもと過ごす時は、

それらをよく知って理解し熟慮を重ねた上で、

その全て脇に置いて、ないものとして、

まっ白い画用紙を前にする時のような

何に対しても開かれた自由な状態であるように心がけたいです。

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (るるべる)
2013-02-06 12:59:52
早期教育について、私も随分葛藤しています。算数国語といったお勉強は年齢にあったものでと思ってます。
その代わり、遊び要素の強いパズルやゲームをどんどんさせています。
とあるお受験塾では、早くできるようになることに意味があるとおっしゃってました。徐々にできるときを待っていてはだめなんだそうです。私はちょっと疑問を感じました。


ところで、息子が責任感が強すぎて、お友だちがふざけていることが許せないようです。
最近カッとなる場面が多くみられますので、
どのように接し方をかえればよいのか頭を悩ませております。あまり煩く言い過ぎなのでしょうか?

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