3歳2ヵ月のAくんは言葉や社会性の発達に少しゆっくりな面のある男の子です。
専門家から「まだ丸をかくことができないので、先々、黒板を写す作業などで困るかも」という指摘を受けたというお話をうかがいました。
色画用紙を広げて、Aくんといっしょに工作をしようとしたところ、お母さんとわたしの話を聞いていたのか、Aくんがくるくると丸をかき始めました。
ぼくはちゃんと丸をかくことができるんだよと言いたげです。
Aくんがかいた丸がとってもすてきだったので、
「線路みたいね。電車を作って走らせよう」と誘うと大喜びしていました。
教室には、「夏休みの工作用の木材セット」を入れたケースがあるのですが、これがまだ手指を思うように使えない幼い子たちの工作に重宝しています。
マジックテープを連結部分に貼ると、電車になります。
棒をセロテープで画用紙に貼って、ふみきりも作りました。
今回の工作は、工作そのものが目的ではなくて、Aくんの「えんぴつでかくこと」へのモチベーションをあげるためへの関わりなので大人がかなり手伝ってあげています。
(Aくんも電車の窓をかくことに興味をしめしていました)
線路をどんどんつないで、道路をどんどん長くしていって、ブロックの基礎板を床に敷き詰めていくAくん。
Aくんがブロックの基礎板の方向を変えながら上手に敷き詰めていく様子を見て、『グローカルヘキサイト』というゲームを出してあげました。
すると、思った通り、大ヒット。一生懸命すべての形を埋めていました。
「パズルはしないんですが、これは好きみたいですね」とお母さんもうれしそうでした。
Aくんは算数の学習に強い興味をしめしていました。
数の玉がかいてあるボードを手で隠して、いろいろな数から「ひく1」をしてみるのが気に入って熱心に取り組んでいました。