虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの能力が伸びる場の決め手は、『循環』 5

2012-06-29 17:44:53 | 工作 ワークショップ

 『循環』のアイデア 3  (アクシデント、子どものおふざけ、失敗 を 互いに交流する良いチャンスとして利用する)

 

お片づけの時間は算数タイムの前とか、おやつの前といった

子どもにとってちょっとしたお楽しみの前に設けています。

活動終了時に全て片付けるとなると、

疲れて手伝わない子や終わるのが嫌で片付けを邪魔する子がいますから

「次に何があるのかな?」とワクワクする時間に、子どもがこだわっているもの以外を

片付けるようにしているのです。(3分の1くらいはおもちゃを残していていいと思います)

 

お片づけといっても、終了時間間際ではないので、子どもたちが引き起こす

アクシデントやトラブルに関わってあげる余裕があります。

 

そうして余裕があると、「いたずら」や「おふざけ」や「大人の邪魔」だった行為を

ゆっくりと「お手伝い」や「学習」へと変換させていくことができます。

 

たとえば、上の写真。

わたしがレジャーシートをたたみはじめると、2,3歳のいたずらくん、おふざけさんが

詰めかけて邪魔をしはじめました。

そこでいっそシートのなかに招き入れて、

近くにいた大人や年上の子らに手伝ってもらって

トンネルを作って

列車になってトンネルをくぐるように誘いました。

 

 

「テント」「トンネル」「お屋根」「お空」

 

大きなシートはさまざまなものに見立てられますよね。

 

その後、「はしっこ持って!はしっこ持って!」と子どもたちにシートの端を持たせて、

「小さく小さくたたんでたたんで~」と言いながら、

シートをたたむお手伝いに関わらせていくことができます。

最初はおふざけから参加した子たちも、

そうして手伝ううちに、他人から教わりながら作業をするコツが身についていきます。

 

「おもちゃをひっくり返してふざける子がいた」といったアクシデントが起きたときは、

紙を丸めたものや、すべりだい代わりになるシートや布などを利用して

他の子たちも協力して片付けたくなるようなシチュエーションを作ります。

最初にひっくり返した子にも、

ひっくり返すだけではなく片付けることも楽しい、という体験をさせることができます。

 

人と人の関わり方にはさまざまな形があります。

アクシデントが起きたとき、みんなでそこに救助に向かうというのもひとつ。

お友だちがけんかをはじめたら、周囲の子らが創造的な解決法で手助けしてあげることもできます。

おふざけを創造的な活動に変えていくこともひとつですし、

遊んだ後で、自分からお手伝いに参加するのもひとつです。

 

遊ぶ、手伝う、問題を解決するといった行為も人から人へと循環していきます。

 


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