年長のAちゃんとBちゃんのレッスンで。
今日、何をしたいかなかなか決まらないふたり。
そこで、「教室のなかを自由に歩きまわってみたら?作りたいものや実験したいことが見つかるかもしれないよ。
ほら、そこに飾っている遊園地のコーヒーカップなんてどう?くるくる回る面白いしかけが作れるよ。
それかゲームを作るのはどう?教室においているどのゲームも、同じようなものが作ってみたかったら作れるし、お家で遊べるよ」
というと、「コーヒーカップはやめとく、うーん」と言いながら、教室のおもちゃや実験道具を見てまわっていたふたりは、ハローウィン用に棚にかけていた蜘蛛の巣の飾りに目をとめて、「これが作りたい!」と言いました。
Aちゃんによると、少し前に『猛毒展』に行って、毒グモを見てきたそうです。
Aちゃんは猛毒展にいたひとつひとつの生き物についてそれはていねいに説明してくれました。
梅田のHEPファイブで開かれていた『猛毒展』はちょっとこじんまりしすぎかな……というものでしたが、子どもにとっては、少し想像力を膨らませないと楽しめないくらいの地味なイベントごとの方が深く心に響くものです。
わたしも子ども時代の思い出深い体験のベスト3は、野外で昆虫の科学ドキュメンタリーを見たこと(虫好きでも何でもなかったのに……)や、
自転車置き場の上や物置の上に登って遊んだことや、はじめて図書館に連れて行ってもらった時のことです。
サーカスや遊園地や珍しいレストランにも連れて行ってもらったけれどそちらはほとんど覚えていません。
「蜘蛛の巣を作りたい」と聞いて、『飼育と観察』という古い学研の図鑑を出してきました。
1971年初版のものなので、子ども向けの図鑑とは思えない内容に、思わず笑ってしまうようなページもかなりあるのですが、(水槽の作り方とか、
カメのための池の作り方とか、ハチの観察の仕方とか、熱帯魚の飼育のための生餌のイトミミズを飼っておいたり、刻んだりする方法など)、最近の洗練された図鑑にない魅力も満載の本です。
この図鑑にオニグモがあみをはる手順が、初心者向けの編み物の本さながら、ていねいに解説してあります。
Aちゃん、Bちゃんもすっかり蜘蛛のあみのはり方に魅了されていました。
最初に自分の体重を利用して三角形を作って、木の枝などに枠糸をはってから、放射状に糸をはっていき、最後にうちがわからぐるぐる巻きの形に糸をはっていく様を一生懸命、真似していきました。
最後に、ねばり糸の「ねばり」をつける意味で、ピンクのビーズも貼っていきました。
Bちゃんは図鑑の索引が気に入って、調べたい文字を探しては、指定のページを見にいっていました。
生駒山に登ってきたというAちゃん。
さっそく教室の距離カードに加えることにしました。
高さは、642mです。
算数のレッスンでは、10のカードを作って、繰り下がりのあるひき算を学びました。