前回紹介した男の子のお母さんは、どの場面でも子どもの自尊感情を高めるような対応をしていました。
それで男の子は他の子たちよりできないことが多くても、
何度も練習してでも、
できるようになるまでがんばろうとする前向きな気もちを持っていました。
『自尊感情を伸ばす5つの原則 親から子へ 幸せの贈り物』
玉川大学出版部
という本のなかに、自尊感情の高低を調べる小学生向けと中学生向けのチェックシートがついていました。
それを目にしてショックを受けたのは、
最近の子どもたち、小中学生といわず、幼児にも非常に多くの子に見られる特徴というのが、
そのまま自尊感情の低さを表すものとしてしるされていたことです。
低学力、青年の犯罪、薬物中毒、抑うつ、そして自殺といった問題と、自尊感情の低さは、研究者や専門家によって相関があると指摘されています。
自尊感情が低いと、人生の問題やフラストレーションにしっかり対応できません。
自尊感情が低いと、強くて優しく、責任感と哀れみを持った心が育ちにくくなります。
自尊感情が低いと、子どもは充実した意味のある人生を歩めなくなると言われています。
そんなにも大切な「自分は有能で価値がある人間だ」と自分を肯定的にとらえる自尊感情。
それなのに、何のハンディーキャップも持っておらず、知的な面でも優秀な子であっても日本で暮らすほとんどの子が、自尊感情の低さを表すとされる特徴を持っていることに、心が痛みました。
自尊感情を調べるチェックシートから……どのような特徴が自尊感情の低さをあらわすのか取り上げてみます。
★自尊感情が低い子は、何かしようとしたとき、むずかしそうだと、ほかの人に手伝ってもらいたくなります。
★自尊感情が低い子は、自分でしなければならないことでも、親や先生から言われないとしようとしません。
★自尊感情が低い子は、ほかの人をとてもうらやましく思います。
★自尊感情が低い子は、正しいと思うことも、反対されるとやりとおしません。
★自尊感情が低い子は、自分がほかから尊敬されるような人間になるだろうと思っていません。
次回に続きます。
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