
2~4歳の時期の親の子どもへのかかわり方って、
将来、子どもが自発的に意欲的に物事に取り組むようになるかどうかの
かなめとなるものだな
と感じています。
なぜって、第1次反抗期を通って、
自我が急速に発達していく時期だからです。
この時期の子は「自己主張」をはじめて、やたら大騒ぎするわりに、
社会の仕組みがよくわかっていないし、
きちんと筋道をたてて考えられるわけではありません。
それで、親ともお友だちとも、
はたから見れば、どうでも良いことで、ギャーギャー、ワーワー
ぶつかってばかりいます。
感情のコントロールもできないので、一度泣き出したら、
いつまでも泣き続けたりします。
また、何が良いことで、どれくらいまで許容されて、
どこからが悪いことなのか、
実際やってみて、確かめてから、体験しながら学んでいく時期なので、
とにかくやってほしくないことをします。
そうした時期の子どもにどのようにかかわるか、
1番大切なのは、
子どもが「自己主張」して、周囲とぶつかりあうときに、
何を得ているか、何を自分の心の中に作りつつあるのかを
大人が知っていることだと思います。
この時期の子は物を取り合います。
人の物をすぐ欲しがりますし、自分の物となると貸せません。
それがおもちゃのスコップひとつでも、
つかみあいの大喧嘩となりがちです。
大人にすると、たかがスコップなのですが、
ペットボトルのふたが時計にも変身グッズにも見えてしまう見立てる能力が急速に発達し始める時期の子(リンク先のヒロママさんのコメントを読んでくださいね)
にとっては、
自分がショベルカーになれる道具だったり、
今の瞬間、世界で一番貴重品に見えるグッズだったりするわけです。
それで、当然、欲しくもなるし、
貸せなくもなるし、
そのぶつかりあいは真剣勝負なのです。
大人だって、スコップくらいでそんなに大騒ぎして~と思うから
「貸してあげなさい!」と安易に言えるわけですが、
もし自分に「あなたの家貸して~」「一番上等の靴貸して~」などと
頼まれたら、
「はい、はい」と簡単には差し出せませんよね。
子どもにとっては、ペットボトルのキャップも、
そらとぶロケットの発射ボタンそのものに見えていたりするわけですから、
取り合いが激しくて当然なのです。
そこには「欲しい!ちょうだい!貸して~!」の強い気持ちが存在するのですが、
その強い気持ちは、主張している子どもに、
欲しがっている自分、主張している自分を感じさせます。
また貸してくれない、意のままにならない相手に
「自分とは異なる意識を持っている他人」を感じます。
それまで、自他があいまいだったのが、ぶつかりあってはじめて、
「自分」に気づくし、「自分」が生まれてくるのです。
こうした体験はとても大切ですが、だからといって、しょっちゅう
お友だちやぶつかりあいをさせていたらいいということでもありません。
揉めてばかりだと、ひとりぼっちになったり、自分への自信を失う場合も
あります。
子どもは、ぶつかりあいを通して、他人に気持ちがあること、どんなことを考えているのか、どんな気持ちなのかも学んでいきます。
この時期の子へのかかわりでは、
子どもが自己主張やぶつかりあいを通して
一生懸命、自分の中に新しい能力を作り出そうとがんばっていることを
理解して、けんかしないようにさせるとか、
早く解決するとかではなく、
おおらかな気持ちで支えてあげることが大切だと思います。
物の取り合いには、もうひとつ大切な学習内容があります。
取る子も取られた子も
ぶつかりあうまで、どうでもよかった物が、
急に大切で意味あるものに感じられてくるということです。
つまり、
そのおもちゃを使った遊びに対して
「やりたい!」という意志の芽ばえがあるのです。
教室では、学習道具や、顕微鏡などを
人数分用意していません。
他の子が使っていると、欲しくなり、
欲しいがやりたいになり、
やりたいが学びたいになるからです。
おうちで、工作に興味がなかった子も、
他の子がはさみで何か切ったり、スパンコールをボンドで貼ったりしているのを見ると、
まず
それが「欲しい!」という気持ちが強まります。
そこで拒絶にあうと、
子どものなかに、「そんなにすごいものだったのか!やりたい!」という気持ちが高まり、
「欲しい」が「やりたい」に変わっていきます。
また、やってみたあと、お友だちの作品の方が魅力的だと感じて
欲しくなって泣いたあとで、
「自分もじょうずになりたい」「あんなことができるようになりたい」という
成長への意志が生まれます。
この時期の子へは、
何が悪く、何が良いのか
具体的に学ばせなくてはならないので、きちんきちんと叱っていく場面も
大事です。
ですが、
「欲しい」という気持ちに罪悪感を抱かせて
押さえ込んでしまったり、
「取り合う子は悪い子」と決め付けて、子どもの自我の成長を
幼い状態に引き戻すような対応はよくありません。
海外から虹色教室に来てくれる子どもたちに接していると、
お人形遊びのときに、「大人」の人形を選んだり、ごっこ遊びで大人を演じたがるので、驚くことがあります。
日本の子どもたちは、赤ちゃんやペットの役を好むことが多いです。
「成長したい」「大きくなりたい」「より強く賢くなりたい」という意志に気づく瞬間を、
大人の指示に従ううちにもやもや~っとあいまいにされて、
良い子の枠に小さく収まっている印象の子が多いです。
自分の気持ちを確認し、
良い問題解決方法を教えてもらい、
お友だちに心があることを学びながら、
子どもが「成長したい」「大きくなりたい」「より強く賢くなりたい」という意志を獲得していくのを見守ってあげてくださいね。

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将来、子どもが自発的に意欲的に物事に取り組むようになるかどうかの
かなめとなるものだな
と感じています。
なぜって、第1次反抗期を通って、
自我が急速に発達していく時期だからです。
この時期の子は「自己主張」をはじめて、やたら大騒ぎするわりに、
社会の仕組みがよくわかっていないし、
きちんと筋道をたてて考えられるわけではありません。
それで、親ともお友だちとも、
はたから見れば、どうでも良いことで、ギャーギャー、ワーワー
ぶつかってばかりいます。
感情のコントロールもできないので、一度泣き出したら、
いつまでも泣き続けたりします。
また、何が良いことで、どれくらいまで許容されて、
どこからが悪いことなのか、
実際やってみて、確かめてから、体験しながら学んでいく時期なので、
とにかくやってほしくないことをします。
そうした時期の子どもにどのようにかかわるか、
1番大切なのは、
子どもが「自己主張」して、周囲とぶつかりあうときに、
何を得ているか、何を自分の心の中に作りつつあるのかを
大人が知っていることだと思います。
この時期の子は物を取り合います。
人の物をすぐ欲しがりますし、自分の物となると貸せません。
それがおもちゃのスコップひとつでも、
つかみあいの大喧嘩となりがちです。
大人にすると、たかがスコップなのですが、
ペットボトルのふたが時計にも変身グッズにも見えてしまう見立てる能力が急速に発達し始める時期の子(リンク先のヒロママさんのコメントを読んでくださいね)
にとっては、
自分がショベルカーになれる道具だったり、
今の瞬間、世界で一番貴重品に見えるグッズだったりするわけです。
それで、当然、欲しくもなるし、
貸せなくもなるし、
そのぶつかりあいは真剣勝負なのです。
大人だって、スコップくらいでそんなに大騒ぎして~と思うから
「貸してあげなさい!」と安易に言えるわけですが、
もし自分に「あなたの家貸して~」「一番上等の靴貸して~」などと
頼まれたら、
「はい、はい」と簡単には差し出せませんよね。
子どもにとっては、ペットボトルのキャップも、
そらとぶロケットの発射ボタンそのものに見えていたりするわけですから、
取り合いが激しくて当然なのです。
そこには「欲しい!ちょうだい!貸して~!」の強い気持ちが存在するのですが、
その強い気持ちは、主張している子どもに、
欲しがっている自分、主張している自分を感じさせます。
また貸してくれない、意のままにならない相手に
「自分とは異なる意識を持っている他人」を感じます。
それまで、自他があいまいだったのが、ぶつかりあってはじめて、
「自分」に気づくし、「自分」が生まれてくるのです。
こうした体験はとても大切ですが、だからといって、しょっちゅう
お友だちやぶつかりあいをさせていたらいいということでもありません。
揉めてばかりだと、ひとりぼっちになったり、自分への自信を失う場合も
あります。
子どもは、ぶつかりあいを通して、他人に気持ちがあること、どんなことを考えているのか、どんな気持ちなのかも学んでいきます。
この時期の子へのかかわりでは、
子どもが自己主張やぶつかりあいを通して
一生懸命、自分の中に新しい能力を作り出そうとがんばっていることを
理解して、けんかしないようにさせるとか、
早く解決するとかではなく、
おおらかな気持ちで支えてあげることが大切だと思います。
物の取り合いには、もうひとつ大切な学習内容があります。
取る子も取られた子も
ぶつかりあうまで、どうでもよかった物が、
急に大切で意味あるものに感じられてくるということです。
つまり、
そのおもちゃを使った遊びに対して
「やりたい!」という意志の芽ばえがあるのです。
教室では、学習道具や、顕微鏡などを
人数分用意していません。
他の子が使っていると、欲しくなり、
欲しいがやりたいになり、
やりたいが学びたいになるからです。
おうちで、工作に興味がなかった子も、
他の子がはさみで何か切ったり、スパンコールをボンドで貼ったりしているのを見ると、
まず
それが「欲しい!」という気持ちが強まります。
そこで拒絶にあうと、
子どものなかに、「そんなにすごいものだったのか!やりたい!」という気持ちが高まり、
「欲しい」が「やりたい」に変わっていきます。
また、やってみたあと、お友だちの作品の方が魅力的だと感じて
欲しくなって泣いたあとで、
「自分もじょうずになりたい」「あんなことができるようになりたい」という
成長への意志が生まれます。
この時期の子へは、
何が悪く、何が良いのか
具体的に学ばせなくてはならないので、きちんきちんと叱っていく場面も
大事です。
ですが、
「欲しい」という気持ちに罪悪感を抱かせて
押さえ込んでしまったり、
「取り合う子は悪い子」と決め付けて、子どもの自我の成長を
幼い状態に引き戻すような対応はよくありません。
海外から虹色教室に来てくれる子どもたちに接していると、
お人形遊びのときに、「大人」の人形を選んだり、ごっこ遊びで大人を演じたがるので、驚くことがあります。
日本の子どもたちは、赤ちゃんやペットの役を好むことが多いです。
「成長したい」「大きくなりたい」「より強く賢くなりたい」という意志に気づく瞬間を、
大人の指示に従ううちにもやもや~っとあいまいにされて、
良い子の枠に小さく収まっている印象の子が多いです。
自分の気持ちを確認し、
良い問題解決方法を教えてもらい、
お友だちに心があることを学びながら、
子どもが「成長したい」「大きくなりたい」「より強く賢くなりたい」という意志を獲得していくのを見守ってあげてくださいね。

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一人っ子で取り合いすることがほとんど無かったので、そういう場面を幼稚園でたくさん経験して集団に慣れてくれたらな~と思ってます♪
本人の意思を尊重しながら考えなきゃなりませんね。
しかも…実はコメントに書きました息子たちのやりとりの先に、まさに「貸して!」「ヤダ!」の(私から見て)緊迫した事態になったんです。ついつい二人の穏やかな会話だけを書いちゃったのですが…奈緒美先生にその先を見通されてた!?とすごく驚いています。
そして、ケンカが始まった二人に割って入って仲裁しようとした自分にモヤモヤした納得いかないものを感じていたところ(結局、感情が高ぶった二人に私の声は届きませんでしたが)今回の記事を読んで、あぁそうだったのか!!と…。普段、変身グッズに興味ないくせに…家に帰ればもうひとつ同じカスタネットがあるのに、なんで意地でも貸さないのカナ~?と思っていました。自分の対応はおおらかどころか、大慌てでしたし。
子供達の自我の芽生えや意欲を大切にしたいです。
実験機具などをたくさん置かないというお話も目からウロコでした~
いつも貴重なお話を本当にありがとうございます☆