虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

クリエイティブに生きる 6

2011-03-09 22:00:39 | 日々思うこと 雑感
息子 「さまざまな場でIT化が進んで、多くの人の願望や欲望を満たすものが次々生まれているけれど、
そうなればそうなるほどそれを生み出す現場では『アナログな知識』といったものが必要になってるのかもしれないね。
それが『外からは見えない価値』や
『人と関わることで新しく創造される価値』の正体なのかな?

ほら、お母さんの仕事なんてのも、
分厚い教え方のテキストをマニュアル化したもんじゃないよね。
実際、使っているのは人が生きて生活している場の温度が伝わってくるような知識じゃん。

ぼくはよく、
どうしてあんなに流行っているんだろう?
何であんなに人気があるんだろう? って目で
『けいおん!』(かきふらい原作の漫画及びそのアニメ作品)を見るとき
があるんだけど、冗談が飛び交う和気あいあいとした雰囲気の中で、
ひとりでも欠けたらいけないっていう
個が個としてかけがえがない場所を占めているところが人気なんだろうって思うんだよ。

実際の部活は、馴れ合いや義務感ばかり膨らんでいるような場も多いんだけど……。
でもさ、本当のところは、みんなそういうものを
めちゃくちゃに馬鹿にしながら、
そして実際馬鹿みたいにくだらないものになっちゃっているけど
それでもそうした部活や学芸会的なものを一番求めているのかもしれない……
って感じることがよくあるよ。

人と人が、顔と顔を合わせて、ふざけたり、まじめな話をしたり、創造的な何かを共有したりね。
そうした生の体験で感じる感情に飢えているって言ったらいいのかな?

ほら、メイド喫茶に通うのが好きって人にしても、
本当にアニメの主人公みたいなメイドに会いたいってだけで、
そこに通っているんじゃないと思うんだよ。
自分たちはこんなキモイ世界観も好きだと言えるだという
そのドアを通った時点でその場にいる者同士の強い結束感のようなものがあるんじゃないかな?
外の世界で どんなにコミュニケーション不全に悩んでいても、
その空間では自分は完全に受け入れられている……
そこの一員だという安心感のようなものも求めているのかもしれないよ。

『ウォーターボーイズ』にしても『けいおん!』にしても、
あれは映画の世界だ、アニメの世界だって、けっして手が届くことはない遠い世界のことのように語る人は多いけれど、
現実には誰からも遠くはないんだと思う。
誰かが作った規範に従うことが、自分の世界との関わり方になってしまっているだけで、世界は自分がどう思い、どう感じ、何をしようとするかで
自分が望むものとほとんど同じようなものになるものだから。」


私  「そうよね。★(息子)はそういう今の社会に渦巻くさまざまな思いを汲み取って、作品作りに生かしたいの?」



息子  「ぼくはみんなが表面的な意識の部分で望んでいるものではなく、
その心の奥底に眠る本当の願望に訴えるものが作りたいんだ。

マンガ家が『ワンピース』の作者に憧れているから、
『ワンピース』 みたいな マンガが描きたいって思っちゃったら、
そこが到着点になって、それ以上のものを作るのは難しくなると思うよ。
『ワンピース』 より 面白いものが作りたいって
そう思わなくっちゃ、良い作品はできないはずだよ。
すでにあるものを作っても面白くないから。
でも、矛盾するようでも、同時にすごいものを作ろうと自分のプレッシャーをかけたりせずに、
すでに誰かが作ったかも知れないものでも、
まず できそうなものをどんどん作っていって……
とにかくいろんなものをたくさん作って、
確実に夢に近づきたいんだ」




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