虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子育ての迷いや悩みから抜け出すため の あれこれ 25

2014-09-20 19:17:16 | 日々思うこと 雑感

 

 子どもが最初に『戦士』のアーキタイプと出会うのは、反抗期でしょう。

『戦士』のアーキタイプは、「これは自分だけのもので他人のものではない」という

アイデンティティーの感覚を養ってくれるものです。

芽生えたばかりの自我は、簡単に親の願望や他者の要求に侵略されてしまいますから。

 

子どもの反抗期に、精も根も尽き果てるほどまいってしまっている親御さんに会うと、

その方自身が、「自分の境界線」という感覚を持ち合わせていないように見えることは

よくあります。わたしの母もそうだったなと思いだされます。

「自分の境界線」という感覚がない場合、子どもの個性が芽を出すたびに、

子どもとの隔たりを感じたり、子どもに問題があるのではと心配したり、

過干渉になったりするかもしれません。

自分の境界線の警護するよう促す『戦士』のアーキタイプが子どもの中で動き出す時は、

それまで『戦士』のアーキタイプを抑圧してきた人の心を揺るがすのでしょうか。

 

子どもの自己主張を脅威のように感じている方の相談に応じる時、

子どもの問題はいったん脇に置いて、

親御さんが「本当は何を望んでいるのか」をより明瞭になるように話しあって、

周囲からどう思われてもそれを守るよう励ますと解決することがよくあります。

 

たとえば、「自分の境界線」を持っていない親御さんの場合、

最初の悩みは「子どもに発達障害があるのではないか」というものでも、

よく話を聞いてみると、こんな背景が浮かびあがってくることがあります。

気の合わないママ友仲間との付き合いから抜けられず、

ママ友たちの言動への不満やそのママ友たちからわが子を

「変わった子と見られたくない」という思いから

子どもを過剰に干渉しがちになり、ゆったりとかわいがる時間が減って、

子どもがひんぱんに癇癪を起したり、そわそわと落ち着きがなくなったり

しているのです。

 

親御さんが最も深刻に悩んでいるのは、子どもの困り感を減らすことではなく、

その方や子どもに対して見下すような態度で接するママ友たちに

「変な子」という目を向けられたくない、悪い噂を立てられたくない、

ということです。

 

こんな場合、子どもの発達障害の有無の関わらず、

親御さんが自分が望まない状態から離れる勇気を持ち、

少しずつでも他者との境界線を設けることができるようになっていくと、

悩みの半分くらいは自然に消えてしまうようです。

 

 

 

 


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3 コメント

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そうなのかもしれません。 (nonmama)
2014-09-21 10:01:48
いつもブログ拝見させていただいています。
昨日は息子の中学の体育祭でしたが
楽しそうに参加する様子を見ていてそう感じました。

どう思われても~ということ
いまは一番難しいことなんじゃないかと思います。
少しでもそう思えるとラクになりますね。

返信する
Unknown (Unknown)
2014-09-22 12:23:38
本当に難しい問題ですよね。

うちは上の子が自閉、下の子が定型なので、下の子のお友達のママが上の子を見るなり態度を変えてこられる…というのはざらにあります。遊んでもらえなくなったり、逆にアドバイスをふんだんに頂いたり…(笑)
距離をおいてみたら、そこから下の子の仲間外れが始まってしまったり。
「変な子」って今のママさん達からしたら圏外の生き物なのでしょうか???


そんな上の自閉っ子なんですが、初夏にプラレールを隠してしまって4ヶ月。
やっと、ブロックで電車を作ってくれるようになりました。
下の子がテーブル(しかも足をとって収納できるタイプの!)だのお弁当だのいろいろ作る傍らで線路の架線しか作ってくれなかったのですが、「これはE4系MAX。これはスーパーこまち。これは貨物列車。」と言いながら作っていました。
たったこれだけなんですが、先生にお知らせしたくてコメントしてしまいました。

また、月末のレッスンを楽しみにいたしております。
よろしくお願いいたします。
返信する
自分自身が変なひとなので (しまなみ)
2014-09-28 01:51:09
unknownさんのコメントの冒頭部分を読んで、あれ、自分はすでにコメントしたかな?と勘違いしました。ただ、うちはまだ、下の息子が仲間はずれになる経験はなく、逆に、なつこい息子に任せて上の存在を秘してたら、初めてのフツウのママ友もできそう?な風向きです。持続するかは ^_^。
パニックではない、健全な自我の主張としての、2歳のイヤイヤが、そんな息子にもはじまりました。なるほど、これが反抗期か、と、晴れた日に雨靴をはきたがったり、カルピスを原液で飲みたがったり、いちいち具体的で可愛い欲望です。中途半端な知恵がついてかえってアホな摩擦。
アーキタイプ、面白い話ですね。戦いは、成熟してくると、一見抱擁や従順に見える行動を含むことにもなります。
実のところ、職務上、私は面従腹背や、狡猾な交渉などを駆使します。反抗期らしい反抗をしない素直な子どもでありましたが、職務における絶対の上下関係や顧客対応の中で、毎日が戦いとなり、内なる戦士?は、極めてタフで狡猾にあるようです。
子ども達の騒ぎや、周囲の目くらいでいたたまれなくはない。でも、おかーさんのせいだ!と、子どもに八当たりされたら、やっぱり悲しいですなあ。どっちの子どもにされても。
私は、実は、低い自己評価の方が問題なのです。なげやりで雑になりがちな面は、資質もあろうが、ばかだ、気が利かない、と、罵られた子ども時代に発する根も持ちます。今、親を責める気はないけど、子どもに八当たりされたくらいで内心深く悲しいのも、自分の能力全般に自信がないからかなあ、とも、思います。

職場のしたたかな裏私を知るひとは、私を傲慢な自信家だと苦笑しているかもしれないけど、極限まで努力してなお不安な更に裏の私もいます。
とりあえず、トラブルメーカーな同僚や顧客も、そんな裏事情を大抵抱えるので、あまりアタマから批判しないクセもつきました。人類みなお互いさま。批判は簡単だけど、大して意味がないことが多いです。人事権が関わる時以外は。まあ、息子も、すこやかに、上の子もそれなりに、内なる成熟を重ねてほしいです。
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