年長のAちゃんとBちゃんの算数レッスンの様子です。
ハムスターの人形をきれいに並べていく作業は子供たちに大人気です。
10ぴきずつ、5列並べた後で、Aちゃんに、「何びき?」とたずねると、10,10,10……と塊ずつ数えていって、
「50ぴき」と答えました。
「50ひく1は?」
「49」
数についてよくわかっています。
たくさんの数を眺めるのはわくわくするようです。
年長さんたちのグループに小学2年生のお兄ちゃんのCくんも参加していました。
ハムスターを10ぴきずつ並べようと思うと、1ぴき多かったり、1ぴき少なかったり
したので、その都度、「+1」「ー1」と列の横に紙を置いていきました。
Cくんは算数の規則を発見するのが大好きな子です。
「このたくさんのハムスターをいちいち1ぴきずつ数えなくても、何びきいるか
わかる?」
とたずねると、少し考えてから、いいことを考えてくれました。
ハムスターは15列です。もし、全部、10ぴきずつ並んでいたら、150ぴきいるはずなんです。
Cくんは、まず、+1とー1のカードを合わせて、消していき、ー1だけのカードの
上に余ったハムスターを乗せていきました。
そして、「10ずつなら150だけど、それより、引くカードが4になるから146だよ。でも、
ハムスターの列の前にも2ひきハムスターがいるから、答えは148ぴき」と言いました。
Cくんは、こうした計算方法などのアイデアを練るのが大好きです。
学校では、こうした算数のセンスを持っている子が、「そんな能力があってもまったく無意味で、
優しい問題をミスなく早く解くことだけが大事なこと」と叩き込まれるので、
だんだん自分に自信を失ったり、学ぶことに興味をなくしたりしていくので
とても残念です。
難しい問題をじっくり考えることが好きな子や
独創的な解法を思いつく子が、勉強嫌いにならないような
授業のあり方を望みます。