虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

誰から学ぶ? どこで学ぶ? 1

2011-03-10 21:29:17 | 日々思うこと 雑感
「久しぶりに○○(お気に入りのイタリアンの店)にでも行こうか?」と誘うと、ダンナはイタリアンは嫌だからひとりで牛丼か中華を食べに行くと言い、
娘は「バイトだから今日は行けないわ」と言い、
結局、息子とふたりで外食に。(娘とは今度の休日にランチにでも行くことにします
私もうちの子たちも近所のイタリアンのお店が大好きで、
外食というと、たいていここに行きます。

前回 初めて、しぶるダンナを連れて行ったところ、
スパゲティーをメインにしたオードブルを平らげて、
「これはおいしい!」と絶賛していたのです。
それが「次もここで夕食を!」と思うまでには、
難波の甘辛党のダンナとイタメシの距離は縮まっていなかった模様です。

うちの家族、この通り いつも行動がバラバラですが、バラバラなりにまとまってはいます。

息子が言うには、うちの家族の会話もバラバラだけど、
それなりに まとまっているらしいです。
「お姉ちゃんが、『うちの家族は話をコロコロ変えるから
会話が噛み合ってない』って笑うけどさ。

『話』を変えているんじゃなくて『表現』を変えているだけで、
もともと言いたいひとつのことを
いろんな角度から異なる例を挙げて、
いくつもの別の切り口ではなしているだけで、
話をコロコロ変えているってわけじゃないよね。

ぼくも友だちと話しているとき、本当に伝わっているのかどうか確認したいから、同じ内容を 次々 別の視点から捉えた言い方で表現しているんだ。

すると、ちゃんと理解してもらえているとばかり思ってたことが、
案外、正確に伝わっていなくて、
相手が言葉尻の一部に反応して
うなずいていただけだった……ってことがよくあるからね。」とのこと。

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息子と私は最近よく会話します。

といっても、ほんと ここ最近で、(受験中で自宅にいる時間が増えたので)
中学生になった頃から学校が忙しすぎて、顔を合わせるのもままなりませんでした。(娘とは 今もなかなかしゃべる機会がありません)

それでわが子とじっくり話してみると、
「こんなことを考えていたのか」
「そんなことを考えるようになっていたのか」
となかなか新鮮で面白いのです。

私がもんもんと抱えていた解決しようがないように見えていた問題も、
息子が「こうなんじゃないの?」と、
私の考えていたフィールドの外から
答えを返してくるのを聞くことで、
「だったらこうすればいいのかな?」と解決の糸口をつかめることも
よくあるのです。

イタリアンの店で私は、
知人に聞いたちょっと気分の塞ぐ話を息子にしました。

私 「○さんが 中学入試の進学塾の説明会のようなものに参加してみたそうなの。そうしたら、参加している母親たちの会話というのが、

『塾に入れてもプールはやめさせたくないから、
塾もプールも行かせるつもり。勉強させたら、
運動もちょっとはさせとかなきゃならないから、ちょうどいいし。
でもそうなると本人は友だちと遊ぶ時間や休憩する日も
欲しいって言うけど、全く取れそうにないわね(笑)』
なんてものばかりで、

子どもの気持ちや感情なんて全く頓着する様子がなくて、
どうしてそこで笑うのってとこで笑いあっている姿が怖かったそうよ。

塾の先生は先生で、『受験が忙しくなる小学校の低学年くらいまで
家族旅行とか体験学習とか十分しておいてください』って言うのはいいんだけど、体験を勧める理由が 旅行先で受験に出るような生き物や植物や地理の実物を見ておいて、先取り学習ができるからという一点なんだって。」

息子  「ふーん。大人になるまで、
親と塾や学校の先生以外、ほとんど接する機会がない子がけっこういるよね。
本当は、子どもって、親や先生だけでなく
社会全体から学んでいく必要があるんだろうな。

あまりに狭い世界に縛られて、
他の人と出会う機会を奪われている子が多すぎるよ。

ぼくは○○を出て、ふたつの中高一貫高に通うことになってよかったな
(事情はコチラ→子育てってより高い偏差値の学校に子どもを進ませるための競技なの 1 

子育てってより高い偏差値の学校に子どもを進ませるための競技なの 2 )

って思っているのは、
もしずっとあそこに通って卒業ってことになっていたら、
あそこの友だちといっしょに 学校や先生への不満を好き放題言っていたと思うんだ。

でも、外に出て眺めてみたら、
あそこはあそこでけっこう良いところがあるんだな、先生も温かいところがあったなってってことが見えてきてさ。

別の世界の別の人々と出会うから、
世界が広がったから、わかることや気づくことがあるって
知ったんだ。
途中で公立中にも通ってみて、
小学校の時の友だちや公立の先生っていうのにも会ってみて、
物の見方や考え方がずいぶん変わったよ。

それで、子どものうちに、お年寄りとか、いろんな職業の人とか、
普段の自分の生活と関わりがない人々とも
もっと出会う機会があるといいと思うようになったんだ。

といっても、老人ホーム訪問みたいな、作った出会いじゃ
意味ないだろうな。」

私 「そりゃぁそうよね。でも相手がお年寄りでも、
子どもが誰か知らない人と接すると犯罪に巻き込まれるん
じゃないかって不安がる人は多いのかも。

それでも、少し前までは、中途半端で曖昧だからこそ、そうした良い出会いが安全に保たれている場所があったのよ。

近所の児童館とか。
あそこの館長さんや職員さんは、居場所がない子や人との触れ合いに飢えている子と、オセロしたり、おしゃべりしたりしてたわよね。
★(息子)も覚えているでしょ。
児童館の掃除夫のご老人も、仕事の合間に子どもたちの話し相手になっていた。
もうひとつの子ども向けの施設もそうだったわ。

でも、最近になって、児童館は、『幼児しか利用できない』とか、児童館の部屋は『登録している母親サークルでしか使用できない』といった決まりで、
中途半端さや曖昧さをばっさり切り捨てていって、
まるで幼児教室の別バージョンのような場所になっちゃったのよね。

いろんなところが、そんな風に安全な出会いすら排除しているわ。
異年齢の出会いの場合、その必要性について理解を求めるのが
本当に難しいのよ。」


息子 「そうだよね。
犯罪を恐れる気持ちはわかるけど、
それは客観的なデーターに基づいた
事実に見合った恐れなのか……冷静に判断するべきでさ。

子どもに向かう犯罪を防ぐ意味でも、
いろんな年代の人が自然に接することができるような場がいるよね」


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1 コメント

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Unknown (asibe)
2011-03-11 13:38:51
なおみ先生こんにちは。

うちの市で新しくできた児童室の案内を見ると、使用は中学生までとなっているのに遊具はあきらかに乳幼児向けでした。おまけに狭いし、年会費もかかるそうです。会員になればリトミックなどが低額でできるそうです。

中学生どころか年長でも物足りない空間・・・
リトミックなどの講座は午前中だし、入園前の幼児のための児童室を中学生までって規定することの意味って・・・誰かに対して「やっている証拠」を残しているだけです。1歳児の乗用玩具を中学生が乗って壊して出入り禁止がオチでしょう・・・

中学生までなら卓球台や古い漫画とかwそれなりに準備があると思うのですが。

異年齢は難しいです。
今出来るのは近所の人にかわいがってもらうように、私がおばちゃん軍団にしゃべりかけることくらいです・・・情けないですが(涙)

娘におねえちゃん達がランドセルからかわいい筆箱をだしたりするのを見て、憧れの気持ちをもってもらえる場所があるといいのですが・・・
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