アスペルガー症候群の子の学習を見ていると、
算数がとても得意な子らと、図形分野や文章題・分数の計算などでつまずく、
算数が苦手な子らの2タイプに分かれます。
ハンディーがない子のなかにも、図形分野や文章題、分数の計算などで
つまずく子はけっこういるでしょうが、
アスペルガー症候群の子のつまずき方は、一般的な子らのつまずき方とちょっと
異なるように感じています。
特性による物の見え方やイメージの仕方の偏りがあって、
学校の授業のように集団に向けて教える教え方では
いつまでたっても理解に至らないことがあるのです。
どのような困り感を抱えているのかというと、
絵で描かれた立体図形の図と、それと同じ実物がつながりにくいことも一つ。
教科書などに描かれた立体の図と同じ立体を準備して、
絵のなかの辺と辺、点と点を対応させていくことが難しかったり、
図を積み木などで作って表現することができなかったりします。
またさらに困難なのは、欠如している部分を想像で補って形を捉えることです。
上の写真のような形の『容積』にあたる部分の形を想像することが難しいようです。
また、上の写真のような形の欠如した部分を補って、
大きな塊から欠如した部分の塊を引いて体積を求めるといった問題が
とても苦手なようです。
いろいろ試してもうまくいかない場合、本人が好きな動物なりキャラクターなりが
欠如した部分を埋める形にぴったりサイズで詰まっているような絵を描いてあげると、
空白部分を埋めている空間を実体のあるものとして捉えるようになる場合もあります。
幼児期からブロックや積み木で遊んだり、工作をしたりしていると、
かなり立体の見え方に偏りを持っていた子の困り感が減ったケースがいくつかあります。
遊びの世界にぜひ創作活動を加えてくださいね。