King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

台風一過

2012年06月20日 10時53分47秒 | 珈琲
最近はコーヒーのこの豆はどうだこうだという説明を
しないでとにかく一杯淹れて相手の反応をみるという
ことが多くなってきました。

絶対の自信をもって最近試飲をしたお客さんは100%
これを買って行きますと淹れた珈琲にも反応はもっと
珈琲らしいものをくれとか他の珈琲の説明を求めたりと
全く持って一期一会の心とか渾身の一杯の反応にしては
あまりに無神経だったり、これが解らないのに何を次の
説明を欲しているのかと全くこちらの心がドロドロと
溶けてしまうようなことをおっしゃるお客様もいて
めったに軽々しく味の話などはしてはいけないものだと
感じます。

味や味から感じることなんての私的なことであり、万人が
共有する感覚でも珈琲に求めるものでもなく、お客様にして
みればただ珈琲豆屋で珈琲豆を買うという行為がすべてで
おいしい珈琲を探してたどり着いたとか、珈琲に求める
味と香りにかくあるべしというものを持っている方が極
少数であり、決しておいしいランチの店を捜し歩くと
おいしい珈琲豆屋さんを見つけるとは同じことではない
のです。

もっともおいしい珈琲を求めている人にしろ、いきなり
珈琲のブルボン種だとかティビカ種がどうで、ウォッシュド
とナチュラルでどうだとか細かいことを並べられても
戸惑うばかりなのは間違いありません。

かといってどんな珈琲が好みかと聞いてもこれまた
珈琲に求めるものも固まっている人や自分がどうゆう珈琲
においしいという感想を持つかも解らない人の方が多い
のです。

最近のスペシャルティコーヒーではきれいな酸味とか
果実香とか希少性とかを謳っているので、やはり一般の
コーヒー感とは一味かけ離れているところがあるのかも
しれません。

それでも万人を魅了してやまない味とかだれもがおいしいと
いう味というのを今まで信じていましたが、最近の人の
感想を聞く度その気持ちも怪しいものになってきます。

フランス料理とかイタリアンとか料理屋は流行り廃りが
あり、そのくせ老舗という言葉には弱いなど消費者心理は
実に気まぐれであり、日本料理には確かに万人を納得させる
味と美という意識にあふれているのに対して海外からのもの
にはそれと通じるものが果たしてあるかという疑問もあります。

同じく珈琲も誰にもおいしいという香りと味があるのかと
いう疑問も当然あり、最近のゲイシャブームでもあの香り
と風味が万人向きかといえば、逆に癖があり好きじゃない
という人も多いと思います。

これは世界で評価されていまでも最も高価な希少なコーヒーと
ブランドとして確立したから今でも高値で取引はされて
いますが、味と値段が相当かといえばやはり疑問です。

ただ珈琲の場合、高いとはいえそれが買えない価格ではない
がゆえにまたそれは有効なのかもしれません。

ロマネコンティが今では何十万もするようなものになって
しまい、それはもはやワインとして飲むものより投資とか
コレクションとする人たちの物になっているように、値段
とは性格を決定づけるものでもあります。

珈琲は毎日飲むものですから、決してそんなものになって
しまってはならないし、おいしいものが適正な価格で
なくてはならないと思います。

ということとで、最近では200g1000円程度のものが主流と
なっていますが、ホワイトキャメルやクリスタルマウンテン
が値段相当な味でないということではないので、安心して
そういう高いものもたまには合わせて飲んでみて違いを楽しんで
見てください。

高いといっても2000円程度のことなので。

コメント
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