King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『マネーショート華麗なる大逆転』鑑賞

2019年11月10日 20時58分26秒 | 映画

朝から電話のお問い合わせがあったので移転作業も中止して待機中にビデオにたまった

映画を見ました。

これはリーマンショックのもとになった住宅ローンのサブプライムローンが破綻して金融恐慌となった

出来事を描いています。日本でもこのローンの仕組みを何度も見てきましたが、それにしてもひどい仕組みで

世界中の資金がこの商品に投資して儲かるから中身は何でもよいという状況でした。それがもとで米の住宅産業が

バブル状態で一気に不景気は全産業に及んだのでした。

 

ローンが滞り住宅を失った人は600万人といいます。ただし、これにより今まで家の買えなかった移民の人が郊外の

大きな家を買えたというリポートも見たことがあります。

 

このように破綻して職を失ってもその労働人口の流動性や再生が早いのも米の特長です。日本ではリストラで職を

失い元のような収入と職を探してもとても同じ程度の収入の役職は望めず、違う職種や派遣などの非正規の職にしか

就けません。中間管理職など経歴や知識、経験を生かした転職など望めません。しかし、現場仕事や介護などどこでも

人手不足という状況は慢性的で働く人もいないとされます。

 

それと一度負けるともう再生できず、自身の能力でどうにか起業するなど自分で切り開いていくしかないのです。

 

それはぬくぬくと企業の中で自分の仕事をしてきた人にとって自分でやりたいことを自分で仕事を切り開くというのは

至難の業です。

 

この映画を見ていると私の当時の仕事の事とか社会と不動産業界とか金融業界や投資の仕組みとか考えることが

あふれて複雑な思いで考えてしまいこのストーリーを単純と楽しむことができません。それに字幕に出てくる

CDOやCDSがどんなものでどの人がどの担当で誰がどれにどう投資したのかも良く解りません。

 

そんな金融業界におかしいと気づいた人が三組がいてそれぞれこれは破綻するだろうと警告と指摘をしてそれと

逆の投資や空売りを仕掛けます。しかし、これがセリフからはどうゆうことなのかどうしたら成功なのかとか

どの程度儲かったのかピンと来ません。

 

ブラッドピット、クリスチャンベール、ライアンゴズリンといった有名でイケメンの役者がそろったのに誰がどの

役かとすぐわからないし、ブラッドピットは元銀行員で有機栽培の菜食主義者というのはすぐわかりましたが、彼が

どうやって投資家に保証書や投資を用意したのか何を売買したのか具体的には解りません。

風変わりでロックを爆音爆音で聞いている投資家というのもずっとジム・カヴィーゼルだと思ってしまい、最後の

スーパーで探しましたが、出てきませんでした。これがクリスチャンベールだったと後で気が付きました。それだけ

みんないつもの雰囲気と違う演技であり、スーツでさえない役というのがカッコよさやアクションがなく解らないの

でした。

 

現在トランプ政権下の米は経済が絶好調で失業率は最低で景気はいいといいます。株価も史上最高値を更新しています。

実施されている政策はイランとの核合意を一方的に破棄、イランに経済制裁を科し、中国にも貿易不均衡是正を求めて高い

関税を課しています。日本にもTPPを離脱、日米貿易協定を結び自動車関税はゼロにはしませんでした。この交渉と同時に

韓国や日本の米軍駐留費の増額や武器購入を求めています。自国に優位にならない物に対しては徹底して攻撃してその立場の

強さから強硬に交渉して自国優位の取引に持ち込み、支出する国際協定はことごとく脱退してしまいました。世界は開かれて

関税などはお互いにゼロにして人・物・金の流通を促進するという先進国の合意もアメリカンファーストという自分だけと

いう態度に出たのです。

 

それが将来も持続可能な成長戦略なのか、世界が同時にアメリカに対して敵対してきたらどうするのかという危険をはらんで

いるもので、経済に対しては今の日韓がそうであるように敵対するより友好的に交わる方が相互利益が増すのです。今は

世界がアメリカにおもんばかっているので表面化しませんが、世界が同時に敵対してアメリカだけ除外して来たら途端に

経済は行き詰まり不景気になってしまうでしょう。これは世界のリーダーであり、覇権国で基軸通貨であると世界が認めている

からでそれもドルから元にすると世界が米に歯向かったら成り立ちません。つまりは相手の足元を見たやりたい放題で一時的な

態度にまだ世界が付き合っているにすぎず、こんな景気も長続きはしないでしょう。

 

破綻した住宅ローンやサブプライムローンもな名前を変え違う銀行が売り出しています。この映画で破綻を予測して動いた

人の主張のように金融業界に新たな規制や仕組みは作られず、銀行が少しなくなっただけなのです。800万のひとが失業したと

字幕に出てきますが、彼らはすぐに次の職を見つけたのです。日本のように課長や係長が次の会社で課長や係長になれないのでなく

彼らには次があるのです。

 

それが米の経済の強味でしょう。また何事もなく新しい投資がされていく、日本のように廃墟がいつまでも廃墟のままではなく

誰かの投資の後も再生されまた発売され買い手が付くのです。それは投資物件だけでなく人にも金にも言えます。

 

日本はそんな米のスタイルをまねはしていてハロウィンパーティーとかなんでも導入しますが、それはまねでありスタイルその

ものではなく、日本ではいろいろ排他的でまだまだ人も受け入れておらず言葉も日本語だけという態度も強いといえます。

 

災害の多い、年寄り国家となった日本はまた新たなシステムを取り入れないといけなくなるでしょう。

そうこの映画を見て思いました。

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