金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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352:笹原宏之『訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語』

2021-09-21 19:03:30 | 21 本の感想
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

「戦く」から「お腹」「凹む」、さらに「GW」や、
絵文字まで全て「訓読み」が可能。
かくも幅広い訓読みの世界を具体例とともに見てゆき、
日本語の面白さを「再発見」する。

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笹原先生の本、読んだものすべて面白い。
そして、はやり言葉や外国語までカバーする守備範囲の広さに
毎回驚く。

「訓読み」というのは
「大和言葉を漢字の読みとしてあてはめたもの」
だと思っていたのだけども、
「漢字を本来の漢語ではない語で読むこと」、
「漢字にその国独自の言葉の読みを当てはめたもの」
を全て訓読みと言うのだそうで、日本語以外にも訓読みがある。
ただし訓読みを体系的に行うのは日本だけ、とのこと。

「肉」の「ニク」は元々の和語である「しし」を駆逐した、
という話、「そうだったのか!」と腑に落ちた。
歴史小説で「肉付きがよい」という意味で
「肉(しし)置きの豊かな」という表現がよく使われているな……
と思っていたのだった。
そして「宍」は「肉」を書きやすくするために変形させた字で、
こちらは和語の「しし」が読みとして定着したそう。

「一(ひ)」と「二(ふ)」と
「三(み)」と「六(む)」、
「四(よ)」と「八(や)」が
その数と倍数とで子音が揃っている、という話、
別の本を読んだときに初めて知って驚いたのだけど、
あれはどの本だったのだろう。

文庫版も出ている模様。

コメント
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