吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

冷汗 その2

2008年06月12日 07時02分08秒 | インポート

 冷汗の経験はごまんと有る。これも大昔の話。腹痛、嘔吐の高齢婦人が救急外来にきた。「お腹が張って苦しいよー」と。触診では圧痛点を認めず腹部は膨隆し、打診で鼓音(ガス腹を疑う)だった。X線とったら腸閉塞であるが、腹部手術歴がないので「へんだなー」と思いつつも入院させた。ところが夜半、看護師から電話があった。「先生、ソケイ部に卵大のできものがありますけど」と。慌てて飛んでいってみたら、ソケイヘルニア(脱腸)の嵌とん(出っ放しで戻らなくなること)だった。緊急手術で事なきをえたが、それから腹部診察の際は「パンツ脱がせ!」が合言葉になった。パンツはいてると見逃すし、高齢者の場合は、こちらから聞かない限り自分からはすべては話さないと考えたほうが良い。