この前、山手線の電車の中で高齢のご婦人2人の会話がそれとなく耳に入ってきた。もちろん他愛もない和やかな会話である。ところが途中からある法則に気がついた。それはお互いのしゃべっている話題がかなり異なっているのだ。表面上は「フンフン・・そうなのぉ~、そう、だからね・・」と言葉をきちんとお互いでキャッチボールしているのである。しかし自分のしゃべる内容は自分本位の話題であり、けっして相手の話題を受けて会話が成り立っているのではないのだ。つまり採りようによってはお互い独り言を面と向かってしゃべっているだけにすぎないのである。でも表面上は和やかな会話が成立しているので不思議な思いであった。傍で聞いていてこの会話はすごく居心地が悪かった。きっとこの2人も人生の達人かもしれない。