吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

達人

2012年10月20日 07時32分23秒 | インポート

 外来に血圧で通院されているご高齢の患者さんがいる。この方は若い頃から剣道を修行されており、80歳を越えた今でもきちんと週に3回の稽古をされている。戦前の京都の武徳会時代の剣道のことや、GHQによって戦後解体させられて、スポーツとして生き残った剣道の歴史などの話を伺うことができてとても興味深い。その歴史的な流れの中で自ら継続して修行を行い、そして今でも続けられていることが尊敬に値する。まさに昭和剣道史の生き証人である。一方自分は学生時代柔道部であり、医者になってからも赴任先の都市で少しは柔道を続けていた。しかしそれからもう何十年も道着を着ていない。柔道と剣道では年齢を重ねてからも続けられるかどうかの体力的な差異がある(と思う)。と言ってしまえば言い訳なのであろうが、とにかく「継続は力なり」である。この患者さんの続けられた年月の長さには有無を言わせぬ説得力がある。まさに達人はいるのである。