こんな日常だったので、「冤罪」で殴られることもよくあった。弁解しても通用しない。「吉田は悪いことばかりしている。だから今回も吉田だろう」という「逆オオカミ少年」的感覚が教師の頭にインプットされているからである。授業中、窓が開いていて少し肌寒かったので、前のやつに「おい、ちょっと寒いから窓しめてくれよ」と窓に向かって指をさした。その直後に「吉田ぁ、前に出てこい」と言われ頭を殴られた。「授業中窓の外を指さしているんじゃない。集中しろ」と怒られた。また頬杖をついてノートしている生徒も「前へこい」と呼ばれ殴られていた。「態度が悪い」ということであった。でも当時はこれが当たり前だと思っていた。いたるところで体罰があったが、でも体罰は瞬間的に終了するので肉体的苦痛だけですみ自分はこちらのほうがよかった。そうである肉体的体罰よりももっと辛いものがあったのである。<o:p></o:p>