吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

美談?安全管理? その8

2013年10月25日 06時53分36秒 | インポート

   はっきり言えば殉職(という表現が適切かどうかはわからないが)した隊員は、好き好んで現場に飛び込んだわけではない。これは己の職務だから飛び込んだのである。そしてその飛び込む基準の安全性を担保するのは統括する組織が責任を持つべきなのである。したがって「彼らの行動は勇気があって・・・」などという会見に終始したのは少しイラッとした。どうも組織の責任の所在を個人の美談にすり替えられたような思いがしたのである。本来であれば「安全管理を徹底した隊行動を十分に行えなかったのは指導上の問題であり、今後は現場での安全教育を徹底し二度とこのような二次災害を起こさないよう・・・」といって頭をさげるのが正しいのである。亡くなった彼らにもともと勇気があるのはわかる。しかしそれは組織管理統括者が波風を抑えるべくTVの会見で「水戸黄門の印籠」的に用いるべき言葉ではない。しかも彼らは勇気をもって飛び込んだのではなく、職務に忠実だったのである。あの会見を聞いていて、見方を変えれば「彼らが好んで、進んでやったことです。彼らは賞賛できます。(で、我々の責任はウヤムヤにしました)」という印象がいまも拭い去れないのである。その件についても当時指摘したマスメディアはなかったのである。<o:p></o:p>