この事故を報道する場合は、テロップの片隅でもいいし、あるいはアナウンサーが最後の結びにでもいいのであるが、一言「遮断機のおりた踏切内は大変危険です。今回の報道は安易に遮断機内に侵入することを推奨したりするものではありません」と断りを入れるべきである。この事件の救助者に対してこぞってマスメディア各社が称賛することは、救命救助の精神の高さを伝えるということでよいことである。これはこれでよい。しかしその次のステップとして「危険をかえりみずに救助に向かう」ところまでマスメディが推奨していると誤解されるのが怖いのである。救助精神の精神性の高さと救助方法の良否は別問題なのであるがこの部分をきちんと報道しないと混同してしまう可能性がある。自己犠牲的に命を賭してまで他人を救助する行為は、結果論的には美談となるが、方法論的には蛮勇であり勧められるものではない。<o:p></o:p>