9月1日、佐野某氏のデザインした東京五輪エンブレムが撤収されることになった。盗作なのか、盗作ではないのか、あるいは「本歌取り」なのかは一切不明である。今後真相は一切やぶの中であろう。いずれにせよ世界中に問題を巻き起こしたことが問題なのである。いろいろな疑惑が五輪に付きまとうのはやはり「日本の恥」ともいえる。本人は「断じて盗作ではない」といっているが、周辺状況でのプレゼン資料で羽田空港ロビー写真の流用や、また飲料品メーカーのトートバッグデザインが完全な盗用であった事実が浮上している。このようなことから彼がデザインした五輪ロゴが「盗作ではない」とするには極めて説得力に欠けるのである。デザイナーの慣習で「ロゴ作成過程におけるコンセプトが異なれば、デザインが類似していても別のものである」などとのコメントを聞いた。しかしコンセプトなど「後づけ」でどうにでも理由がつけられるのでそれは言い訳にすぎない。そのような専門家のいう理解しがたい理由よりも、素人目に見て「見た目が酷似」しているかどうかが問題なのである。つまり玄人の「言い訳」ではなく、素人の「見た目の印象」ほうが重要と思うのだが。どうやらデザイン界の慣習とやらが理解しがたい。