吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

大便が出ない その3

2015年09月28日 06時13分57秒 | 日記
 それは開腹手術を過去にされた方の便通不良である。これの対処は難しい。これら人たちの便秘というのは、イレウス(腸閉塞)の場合もあるからである。どんな開腹手術であったとしても、一度でも開腹すると程度の差こそあれ必ず腸は癒着するのである。例えば腸が折れ曲がった状態で腹壁などに癒着すれば、そこの腸の内径は細くなり、腸の通り具合は悪くなる。
道路に例えれば2車線道路の一車線を工事などで通行止めにした状態といえる。交通量が少なければ渋滞しないが、交通量が増えれば道路は車で渋滞するのである。
腸の流れも同じである。腸が細くなった所(工事個所)では、食物残差(車の量)が少なければ流れはスムーズである(渋滞はない)。しかし野菜片など消化の悪いものや大量の腸内容物が一気にその狭くなっているところを通過しようとすれば、そこで渋滞や閉塞が起こるのである。これが腸閉塞である。