吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

大口病院入院患者死亡事件 その2

2016年10月01日 06時13分41秒 | 日記
 これら物品にまで鍵付き保管庫にて保管したらほとんどすべての資器材を鍵付き保管にしなければならず日常業務の仕事にならない。
 この記者の「事故が起こった → 物品管理義務に問題」という連想ゲーム的発想が貧弱なのである。この記者の言わんとすることを是とするなら、食品に異物混入される可能性のある飲食業界でも「食器洗剤は鍵付き倉庫に保管すべきである」ということと同じになる。

 論点は資器材の管理の問題ではなく、スタッフの中に犯罪者がいたことなのである。警察によって職員から聞き取り調査をしているがそのプロセスが重要なのであって、院長が資器材管理をきちんとしていなかったことが問題なのではない。この記者の「資器材を鍵付きに管理していれば今回の事件は防ぐことができた」「だから院長、あんたが悪い」と言わんばかりのインタビュー内容には辟易した。

 どこの世界にもどこの組織にも犯罪者のポテンシャルをもった職員はいるのである。このような職員がカギを管理していたなら「鍵付き管理」など意味がない。このようなスタッフを早期に発見するとしてもやり方によっては人権問題だとかブラック企業だとかマスメディアから格好の餌食になる。

 何かことがおこると、すぐ病院側の「管理責任」を追及し、病院の信用を失墜させる記者こそ社会悪であり、まさに「報道組織の中で犯罪者のポテンシャル」を持った人間じゃないかと思ってしまうくらいである。