吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

ヤマザキナビスコ その2

2016年10月21日 05時56分51秒 | 日記
 ある日、清掃中のことである。残業していた社員の人に声をかけられた。「これ食べない?」とリッツクラッカーをもらった。
 「はあ・・あ、え? これ? はあ・・・」  きちんと挨拶もできないような高校生である。口の中でつぶやくように答えた。
 「いいよ、今食べなよ」と言われたが「はあ、あとで・・」とポケットに入れた。
 「なんだ遠慮深いんだな」とその残業していた社員は机に向き直ってまた仕事を始めた。
 その人は机でボリボリ食べている。
 自分は「今仕事中なので食べるわけにいきません。あとで頂きます」と言うべきところ、まだまだ高校生の言葉を知らない年齢だったもので口の中で自信なさげにモサモサ喋るしかなかったのである。

 しかしただでもらったクラッカーは美味しかった。と、同時にこの会社の人はみんないい人なんだと思い込みをした。もちろんたった一人からもらった好意である。これで会社全体を評価するのは早合点である。たかが高校生の自分だったので誤解かもしれない好印象のまま何となく今に来ている。
 業務提携が切れてこの商品が食べられなくなっても特段の好物ではないのでどうということはない。
 でも何となく寂しい気もする。