吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

車掌の職場放棄 その2

2016年10月04日 06時03分48秒 | 日記
 日本のサービス業は海外の客から「素晴らしい。気配りがある」と絶賛されているらしい。たぶんことの起こりは三波春夫の「お客様は神様です」あたりが起源じゃないかと思う。でもこれで「お客さん」が「お客様」になってしまったため、きっと顧客は勘違いし始めたのではないだろうか? お客だって最低限のマナーがあるはず。駄々っ子のようにわがままが何でも通ると思ったら大間違いだろう。

 医療の現場でも大きな間違いを犯した。どこかの大学病院の看護部あたりがことの発端らしいが、患者のことを「患者様」とよばせることを始めたのである。これは瞬く間に全国の看護部ネットワーク?で広がった。でも患者はお客ではない。ましてやお客様でもない。
 医療というサービスを提供されてはいるのであるが、その中にはeducationも含まれているのである。患者の療養指導、生活指導、小児科であれば療養担当者(親)への養育に関する指導も含まれるのである。
 「患者様」などとよばれるとつい自分たちがどこかの店舗のお客様になったとでも勘違いされてしまうかもしれない。
 療養指導は十分患者自身に理解してもらい、自分で励行するmotivationにつなげなければならない。

 はたして「お客様」だとしたら上げ膳据え膳、つまり患者は自分から何もしない医療になってしまわないだろうか? 因果関係は不明だがMonster patientと呼ばれる病院クレーマーが増えたのもこのあたりからである。