吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

羹に懲りて膾を吹く その2

2017年03月17日 05時45分05秒 | 日記
 やむなくその患者さんは、約4km離れた介護施設まで歩いて帰ろうとしたのであるが途中行方不明となり捜索願が出た。そして先日、途中の草むらで遺体で発見された。凍死であるとのこと。
 さてこの事件であるが、当然世間の批判はこの市立病院の対応に集中している。「きちんと対応してあげれば死ななくて済んだ」「医療機関は命を守るところ。職員がその気持ちをもっていない」などと批判がでている。当然である。
 一方、病院側は「1日500人もの外来患者がいる中で、一人ひとりの個別の要望には応えられない」と述べている。この病院側のコメントは人が亡くなってしまっているという事実の前では説得力がない。マスメディアのフィルターを通してこの事件を見ている第三者であれば「病院とあろうものがとんだ言い訳をしている」としか映らない。

 しかしながらこの病院側のコメントも事実であり真理なのである。