吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

桂歌丸師匠逝去

2018年07月04日 06時19分44秒 | 日記
 昨日、歌丸師匠がなくなった。生前の映像が流れたがCOPDを長らく患っていたとのこと。この疾患は労作時の息切れから、末期は喋るだけでも息切れがしてうまく会話ができないことも多い。
 最後は高座でも経鼻カニュレから酸素投与しながら落語をしていた。これには恐れ入った。もうすでに喋るだけでも苦しい状況である。しかし澱みなく、滑舌もよく、一語一語明瞭に言葉を聞くことができた。とてもじゃないけどあの病状では会話もままならないはずである。それが人に話をきちんと伝えられるだけの力が(残っているはずがないのに)残っているとは驚いたのである。
 落語が好き・・・だけではできるものでもない。人に何かを伝えたいという気持ちだけでもできるものでもない。あれだけのことができたというのは一体何だったんだろう? 落語という職業は人を笑わせるという柔らかいイメージのため誤魔化されているが、実はその陰に隠れた鬼気迫るほどのプロ精神としかいいようがない。