吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

薬の誤投与で患者死亡 男性医師を書類送検 その3

2019年03月12日 06時28分59秒 | 日記
ということは世界的に用いられている使用量は、すべてこの添付文書からすると「過量投与」であり、もしなにか問題がおこれば、たぶんメディアも弁護士も添付文書に違反した「過量投与」と糾弾するかもしれない。
 これは単に添付文書記載の投与量がもともと少なすぎるのであり、現在通常に行われている量は過量投与ではない。これは大昔に製品が発売された当初の治験で決められた投与方法なのである。今ではこれは数多くのリサーチ・データによる新知見で「1回1mg」という投与量が現在の世界標準となったのである。

 それなら添付文書を改訂すればいいじゃないかという話になるが、厚労省がこの投与量改訂を認めるためには、あらためて製薬会社が、自ら大金をかけて臨床治験を行い改めてデータを出す必要がある。「今、世界中ではこの投与量だから、その量に合わせて添付文書変えます」じゃあだめなのである。つまり添付文書の文言一つ変えるのにも製薬会社での結構な予算を必要とする。
 何十年前に発売された安い薬剤に大金をかけてまで・・・ということはないのである。