吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

「八ツ橋」創業年訴訟 「聖護院」に損害賠償求めた「井筒」敗訴 京都地裁判決 その3

2020年07月03日 05時43分09秒 | 日記
 確かに原告側の気持ちは分かる。しかし現実的にはこの創業年の「古い、新しい」で商品の購入動機が決まるわけではない。「この創業年の不当表示によって商品の売れ行きに不利益が出る」と争点にもってきたのはいささか無理がある。これは原告側の弁護士の戦略に問題があった。
 特にこのような、「どっちが元祖」的な争いは、売れ行きに差が出るというよりも、単にうちが元祖であるという「メンツ」の問題である。それを根拠なく「うちのほうが元祖」と言われたんじゃ相手は怒るはずである。
 もっとも今の法制度の中では年号を詐称しても、また「どっちが元祖でも本家でも」どうでもいいことなのであるという結果が出た。有名人の経歴詐称についてはなんだかかなり同義的に追及されるようであるし、そのことでなにか被害を被ったのであれば法的な罰則もある。
 しかし今回、創業年について明らかではない場合、それがたとえ意図的に詐称しても問題ないことになる。法に罰則規定がないなら原告側はあきらめるしかない。
 もっとも法で裁かれないからと言って、事実かどうかわからないことを、正しいものとして自社製品に表示することはとうてい潔いものではない。小学校ですら教えるはずである。よい子の皆さんはまねしてはダメ。