吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

薬の誤投与で患者死亡 男性医師を書類送検 その2

2019年03月11日 05時42分28秒 | 日記
 またマスメディアの誤解を招く報道である。このような内容であると、まるで本来筋肉注射なのだが、やってはいけない静脈内投与を、しかも大量にしたと受け取られてしまう。
 しかし本剤は禁注、静注どちらも可能である。静注するのは心肺蘇生の場合に適応がある。もちろん今回の事例では心停止の救命処置ではないためこの医師の判断は誤りで、静注は誤投与にあたるのでアウトである。
 問題とするところはエピネフリン使用法について誤解を招きかねない報道内容であると思われる。

 ちなみに現在一般的に広く心肺蘇生時に用いられている投与方法であるが、これは国内ばかりではなく世界的にも1回1mgを静注している。ところが添付文書の記載では、「蘇生などの緊急時には、アドレナリンとして、1回0.25mgを超えない量を生理食塩液などで希釈し、できるだけゆっくりと静注する。なお、必要があれば、5〜15分ごとに繰り返す」と記載がある。
 ということで現在全世界だれもこの添付文書どおりには投与していないのである。

薬の誤投与で患者死亡 男性医師を書類送検 その1

2019年03月09日 05時46分47秒 | 日記
3/6(水) 11:57配信 読売テレビ
 4年前、大阪府高石市の病院で、女子生徒にアドレナリンを誤った方法で過剰投与して死亡させたとして、男性医師が6日、業務上過失致死の疑いで書類送検された。
 捜査関係者によると、4年前に当時18歳の女子生徒が、アレルギー症状で目が腫れるなどしたため、高石市の高石藤井病院で救急治療を受けたが、点滴を受けた後、意識不明になり数時間後に死亡した。
 その後の警察の捜査で、当時、女子生徒に対応した非常勤で44歳の男性医師が、本来、筋肉注射で投与するべきアドレナリンを、誤って点滴で静脈に過剰投与して死亡させた疑いが強まり、警察は、この男性医師を、業務上過失致死の疑いで書類送検した。
 男性医師は、調べに対し、容疑を認めているという。

元号改正 その2

2019年03月08日 06時10分18秒 | 日記
 新元号は1か月前に発表って1か月って何なの?と思ってしまう。元号改正に伴い世の中の更新作業が円滑にはかどるようにという配慮らしいが、それなら発表は半年前でもいいんじゃない?
 元号改正のプラグラムを更新してそれで終わりではない。それがうまく作動するか? 不具合は出ないかどうか?
 不具合が出たらその修正プログラムも作らなくてはならいと考えると1か月前よりも半年前のほうがはるかにスムースに移行するのにと思ってしまう。
 この1か月前というのだけはどうも頂けない。昭和の時の改元とは社会のインフラはずいぶん異なっているんだよと言いたいのである。今後も改元時はもっと混乱するものと思う。
 いっそのこと和暦は廃止してくれたら種々の書類を書く自分としてはありがたいのであるが。

元号改正 その1

2019年03月07日 06時29分54秒 | 日記
 この度の元号改正について、30年前の昭和→平成の改元を思い出す。当時は別段、改元に伴い自分に関して仕事が増えたとか、面倒な手続きが増えたという記憶はない。もちろん公的機関や病院の事務方などでは大変な作業もあったかと思われる。でも改元に伴うことで自分が何か「大変なこと」があったかといえば、それは記憶にないのである。
 しかし今回はちょっと違う。時代がアナログから完全デジタル化してしまった。
 30年まえはワープロとデジタル時計がかろうじてあったくらいで、ほとんどデジタルのものは仕事に使うようなものには存在しなかった。
 ところが現在ではPCが浸透しており、クリニックのカルテも電子カルテである。これから毎日のように更新プログラムが送られて、その更新作業をする必要がある。大変である。

乗客「ドア開いてますよ」 高速バスが閉めず3キロ走行

2019年03月06日 06時26分07秒 | 日記
2019年02月25日 17:32 朝日新聞デジタル
 滋賀県甲賀市の新名神高速道路で20日未明、西日本ジェイアールバス(本社・大阪市)の高速バスが、ドアを閉め忘れたまま3・3キロ走行するトラブルがあった。同社が25日に発表した。最高速度90キロで走行中、乗客が「ドアが開いてますよ」と運転士に伝えて気づいたという。
 同社によると、トラブルがあったのは大阪・天王寺発東京行きの2階建て高速バス「青春エコドリーム32号」。20日午前1時10分ごろ、甲賀市の土山サービスエリア(SA)から、車両中央の乗降扉を閉め忘れたまま出発。高速道路本線に入って約2キロ走ったところで乗客が運転席に近づき、男性運転士(40)に指摘。すぐに扉を閉め、乗客52人にけがはなかった。

 って・・・まあ日本ではこれは安全管理上とんでもない事件になりますけど、東南アジアやインドなどでは、中にはドアや窓の壊れたバスが猛スピードでハイウェイ走ってるそうですけど・・・。そそ、日本じゃアウトですよね。

DV女児死亡事件 その5

2019年03月05日 06時27分30秒 | 日記
 今回の女児死亡事件も父親に対し、役所お得意の「鉄壁!個人情報保護」にすればよかったのにと思ってしまうのである。もちろん行政機関といっても当区と野田市では全く別であるのはわかっているし一概に比較はできないのもわかっている。しかしながら主治医にすら教えてくれないのに、DV加害者には情報を流してしまう・・・このちぐはぐ感は否めない。
 こんな出来事があると今後、役所は過剰防衛反応を示すであろう。今後は全国どこの行政機関窓口も「個人情報だから絶対にお伝えできません」といって、なんでもかんでも、どんな情報ですら鉄壁保護に「なりすぎる」ことがおこるはずである。この役所の過剰反応が一番面倒である。
 少なくとも患者情報を提供した主治医にくらい無条件でその患者の情報をフィードバックしてくれてもいいんじゃない?といつも思っている。

DV女児死亡事件 その4

2019年03月04日 05時45分32秒 | 日記
 自分の居住する区役所は「鉄壁の個人情報保護」なのである。もちろんそれはそれで構わない。しかしながら、こちらから患者情報を意見書にして区役所に提供しているのである。それをもとにして検討された結果はこちらにフィードバックするのは当然だと思うのだが、基本的には教えてくれないのである。
(家族の申請書の一番下欄に難しい文言でのチェックボックスがあるがここにチェックいれないと医療機関に情報をくれない。時々患者家族はなんだかよくわからないのでチェックしない。そうなると医療機関には自動的に情報が役所から来なくなる)。
 当区では、患者情報を提供した主治医にまで患者の「個人情報保護」をかけてしまうくらいの「鉄壁な保護」をしいている。でもこれはやりすぎと思う。

DV女児死亡事件 その3

2019年03月02日 05時47分30秒 | 日記
今回このような痛ましい事件は、DVを継続的に加え続けた父親がもちろん一番悪い。しかしながら間違いなく行政の対応のまずさにも呆れかえる。確かに児相の仕事は大変な仕事である。しかも、専門家もいるものの経験のない役人が配属されることもあるとのこと。この児相への配属は役人からは行きたくない部署としてあげられているらしい。
 今後であるが、このような事件があると、絶対に起こりえることは「個人情報は一切(それは家族でも)渡さない」という頑なな態度に行政のベクトルが傾くことである。
 
 ところで医療職は介護保険などで役所と連携している。患者の意見書(認知症など患者の状態、全身状態を記載した調査書)を主治医は書くのであるが、その後の役所の会議などで介護度などが決定される。しかしながら、これら種々の情報は役所は主治医に自動的にはフィードバックしてくれない。それはいつも「個人情報保護」を盾にするからである。「ケアマネに聞いてください」とケンモホロロなのである。

DV女児死亡事件 その2

2019年03月01日 06時00分42秒 | 日記
 小学校でおこなったアンケートでは記名者は無記名でもいいらしい。つまり学校では誰が記載したかわからないこともありうるのである。しかしながらこの死亡した女児はあえて自分の名前を記載し、かつ父親からのDVを学校側に告白している。この女児は学校側を信用して個人情報を学校側に委託したのである。
 となると理由の如何にかかわらずこのようなアンケートの存在を父親に周知せしめたこと、またそれを「恫喝、脅迫」によって渡したことは言語道断。このアンケート内容を読んで父親が逆上し、女児を死に至らしめた可能性も高い。
 この教育委員会、ならびに児相は断罪されるべきである。おそらくは父親から訴訟にするといわれ児相側も対応に持て余した結果であろう。しかし訴訟していたなら児相側に勝ち目があったはず。

 話はかわるが、自分が診療上に必要な患者情報を当地の区役所に求める際、行政のいつもの文言は「個人情報なので明かせません」なのである(詳細次項)。今回野田市もこうすればよかったじゃないのと思ってしまう。あっ、そうか優しくお願いじゃなくて恫喝すれば役所は個人情報教えてくれるのか・・・まさかね。